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天啓を受けた者ども

【内容】
合衆国南部のキリスト教原理主義組織と、中南米一円にはびこる麻薬ビジネスの陰謀。アメリカ政府と手を結んだ、南米軍事政権の恐怖。アルゼンチン現代文学の巨人マルコス・アギニスの圧倒的大長篇。野谷文昭氏激賞!
善の名を借りた悪、正義の名の下の不正や暴力は、時代を超えて存在する。以前『マラーノの武勲』で南米における異端審問の問題に取り組んだアギニスは、本書では現代が生んだカルト教団と麻薬組織をテーマにしている。そこに窺える鋭い問題意識は、村上春樹の『1Q84』とも繋がるだろう。南北アメリカ大陸を舞台に、人々が忘れたがっているおぞましい歴史的事件を絡ませた物語のスケールは壮大であり、巨悪に翻弄されながらも立ち向かう青年とその恋人の姿が鮮烈な印象を残す。 野谷文昭(東京大学教授・ラテンアメリカ文学)

【内容目次】
プロローグ
第一章 ビルの驚異的な飛躍
第二章 ウィルソン・カストロの戦い
第三章 ダミアン・リンチの執念
第四章 危険と倒錯の道のり
第五章 贖罪の娘
エピローグ
訳者解説

【著者紹介】
マルコス・アギニス(Marcos Aguinis)1935年アルゼンチン生まれ。作家、神経外科医、精神分析家。音楽、歴史、芸術にも精通。小説、随筆、伝記など30作以上を出版。軍事政権時代に発禁処分となった代表作『逆さの十字架』は大ベストセラーとなり、南米の作家として初のスペイン・プラネッタ(プラネータ)賞を獲得。著作は世界各国に翻訳されている。アルゼンチン作家協会名誉賞、ブエノスアイレス賞、ラ・プラタ大学改革賞、フランス文化芸術功労勲章、シュヴァリエ賞などを受賞。アルゼンチン文化長官としてユネスコや国連の支援による民主化プログラムを実施、ユネスコ平和教育賞候補にノミネート。現在はブエノスアイレスの有力新聞「ラ・ナシオン」紙をはじめ、南米、欧州の様々な新聞、雑誌に寄稿、世界中で教育、芸術、科学、政治学についての講演もおこなう。2002年、テルアビブ大学名誉博士号。04年コロンビアで開催された「民主主義の発展とテロリズムに関する会合」に招待。05〜06年ワシントン滞在、ボストン大学で講義をおこなった。
八重樫克彦(やえがし・かつひこ)1968年岩手県生まれ。ラテン音楽との出会いをきっかけに、長年、中南米やスペインで暮らし、語学・音楽・文学などを学ぶ。現在は翻訳業に従事。訳書に『音楽家のための身体コンディショニング』(音楽之友社)、マリオ・バルガス=リョサ『チボの狂宴』、悪い娘の悪戯』、マルコス・アギニス『マラーノの武勲』、『逆さの十字架』、エベリオ・ロセーロ『顔のない軍隊、『無慈悲な昼食』(以上作品社)、『御者〈エル・コチェーロ〉』(新曜社、すべて八重樫由貴子と共訳)。
八重樫由貴子(やえがし・ゆきこ)1967年奈良県生まれ。横浜国立大学教育学部卒。12年の教員生活を経て、夫・克彦とともに翻訳業に従事。

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