哲学/思想/宗教

世界
日本
異端と逸脱の文化史

世界
日本

世界
日本

小説
時代/歴史小説
評論/エッセイ
詩歌

小説
金原瑞人選オールタイム・ベストYA
評論/エッセイ
詩歌

映画/演劇
音楽
美術
画集/作品集

スポーツ
ワイン/酒
趣味/実用その他

新約聖書 訳と註

本巻
別巻

加賀乙彦長篇小説全集
辻章著作集
川村湊自撰集
ジェンダー研究のフロンティア
知の攻略 思想読本



残留日本兵の真実 インドネシア独立戦争を戦った男たちの記録

【内容】
日本敗戦後、オランダとのインドネシア独立戦争に身を投じた元日本兵たち。彼らはなぜ、帰国しなかったのか。“英雄譚”としてでなく、“悲劇の主人公”としてでなく、残留日本兵の等身大の姿を、貴重な一次史料を駆使して初めて描き出す。歴史の闇を照射し、日本人の歴史観の変転を促す画期的論考。
【小熊英二氏推薦!】
二〇歳の青年と、八五歳の元残留日本兵の邂逅から、六〇年を超える歴史の旅が始まった。敗戦直後の青年が残したインドネシア独立戦争の陣中日誌が、現代の青年の手によって貴重な一次史料として発掘され、一兵士の足跡というミクロな歴史が、当時の国際的情勢というマクロな歴史的背景のなかで叙述される。「棄民」と「英雄」という、二項対立的な神話に押し込められてきた、インドネシア残留日本兵の実像が浮かびあがる若手の力作。――小熊英二(慶応義塾大学教授)

【内容目次】
まえがき
序章
 歴史の闇へ/歴史に光を
第一章 北から南へ
 生い立ち/教育/軍隊入隊/南方へ/「大東亜」戦争/第十六軍独立混成第二十七旅団司令部
第二章 新世界
 何ゆえの残留?/インドネシア独立前夜/独立軍へ/市来龍夫との出会い
第三章 独立戦士の誕生
 遊撃戦参考書/情報学校/空白の五カ月/部隊教育
第四章 戦渦の足音
 日本人/オランダ第一次軍事侵攻/モジョケルト戦線/レンヴィル協定/東部第七師団
第五章 日本人特別遊撃隊
 日本人特別遊撃部隊結成/パジャラン・オランダ軍哨所攻撃/マディウン事件/左腕切断
第六章 ウントゥン・スロパティ十八部隊
 戦いの序幕/市来龍夫の戦死/バンジャル・パトマンの戦い/ハーグ円卓会議
第七章 生きて来し道
 戦友たちの結婚/引き継ぐ願い
終章 残留日本兵神話の終焉
補論 世界史の中の残留日本兵
 インドシナ/インドネシア/マレーシア/タイ・ビルマ/中国/フィリピン/ソ連/台湾の白団
主要参考文献/年表/あとがき

【著者紹介】
林英一(はやし・えいいち))1984年三重県生まれ。2007年、慶大卒。08年、(財)マスダ教育財団評議員。09年、(独)日本学術振興会特別研究員(DC1)。慶大修士(経済学)。専門分野:歴史学、地域研究(東南アジア)。著書:東部ジャワの日本人部隊――インドネシア残留日本兵を率いた三人の男』(2009年、作品社)