哲学/思想/宗教

世界
日本
異端と逸脱の文化史

世界
日本

世界
日本

小説
時代/歴史小説
評論/エッセイ

小説
金原瑞人選オールタイム・ベストYA
評論/エッセイ
詩歌

映画/演劇
音楽
美術
画集/作品集

スポーツ
ワイン/酒
趣味/実用その他

新約聖書 訳と註

本巻
別巻

加賀乙彦長篇小説全集
辻章著作集
川村湊自撰集
ジェンダー研究のフロンティア
知の攻略 思想読本



新刊案内

■ 2024年4月刊行

ウクライナの小さな町
バーナード・ワッサースタイン  工藤順訳  本体:3600円(税別)
国と国、歴史と歴史のはざまで──。ウクライナ辺境の町の歴史と、あるユダヤ人一家の歴史が交錯する。ハプスブルク家の支配、ロシア革命、反ユダヤ主義、ホロコースト、独ソ戦、ロシア・ウクライナ戦争……過去から現代に至るまで、東欧の複雑な歴史を複雑なまま理解するためにまさに今求められる、再発見と洞察に満ちた歴史書にして家族の年代記。
現代コリア、乱気流下の変容
A・V・トルクノフ、G・D・トロラヤ、I・V・ディヤチコフ  下斗米伸夫監訳  江口満訳  本体:2700円(税別)
戦乱か、和平か? 危ういバランスで“休戦”状態が続く朝鮮半島──大国による「操作可能な混沌」の舞台となった南北両国家を、ロシアの碩学がパラレルに分析する。核と紛争の時代を読み解く鍵がここに。統一の断念と紛争凍結モデル。

■ 2024年3月刊行

ブルターニュの歌
ル・クレジオ  中地義和訳  本体:2700円(税別)
毎年家族で夏の数カ月間を過ごした、思い出の地ブルターニュ。水のにおい、水の色、古城での祭り、土地の人々との交流……。そして、戦時下に生を享け、戦争と共に五年を過ごしたニース。母と祖母の庇護、兄との川での水浴、まばゆい日々の記憶……。ノーベル文学賞作家が初めて語る幼少年時代。
パレスチナ解放闘争史
重信房子  本体:3600円(税別)
なぜジェノサイドを止められないのか? 因縁の歴史を丁寧にさかのぼり占領と抵抗の歴史を読み解く。獄中で綴られた、圧政と抵抗のパレスチナ現代史。ガザの決起と、全世界注視の中で続くジェノサイド。
糖尿病の哲学
杉田俊介  本体:2400円(税別)
メジャーな病と弱者の〈共存〉。こんな風に生きる。毎度毎度の食事や人間関係、襲ってくるストレス。鬱・歯痛・肌荒れ、それに加えて、検査結果との“戦い”。散歩道での出会い、自分流のマインドフルネスや健康習慣……。日々の暮らし、身体と思索を記述。「歩き書き」で綴る日記エッセー。
金原瑞人選モダン・クラシックYA キングと兄ちゃんのトンボ
ケイスン・キャレンダー  島田明美訳  金原瑞人選  本体:2200円(税別)
全米図書賞受賞作! 突然死した兄への思い、ゲイだと告白したクラスメイトの失踪、マイノリティへの差別、友情と恋心のはざま、そして家族の愛情……。アイデンティティを探し求める黒人少年の気づきと成長から、弱さと向き合い、自分を偽らずに生きることの大切さを知る物語。
江戸の憲法構想
関良基  本体:2200円(税別)
推薦:前法政大学総長・田中優子「日本を、江戸時代からやり直したくなる。いや、やり直さなければならない。強くそう思わせる、驚くべき著書だ。現代日本を見ていて「何かおかしい」と感じ続けている。近代と戦後日本は、もっと別の可能性があったはずだ。なぜ日本の近代は天皇制となり、その結果、あのような戦争に突入して行ったのか?戦後になったというのに、なぜ藩閥政治のような考え方が今でも世襲的に繰り返されているのだろう? なぜマルクス主義者たちは国粋主義者と一緒になって江戸時代を否定したがるのか? これらは明治維新のもたらしたものではないのか? 本書は、それらの謎を解く、新たな入り口を開けてくれた。発想の転換だけではなく、価値観の転換を迫られる」
加賀乙彦長篇小説全集 第十六巻 雲の都3 城砦
加賀乙彦  本体:3800円(税別)
一九六八年一月、研修医の待遇改善に端を発する東大医学部闘争が勃発。その余波は、小暮悠太が所属する精神医学教室にも及び、悠太の研究室も全共闘の学生たちに占拠される。騒然とした状況の中、犯罪学の研究の傍ら小説を書き始めた悠太。そこへ、幼い頃から愛し続けていた千束が離婚したとの話が舞い込んでくる――。『永遠の都』に続く自伝的大河小説の第三部。毎日出版文化賞企画特別賞。

■ 2024年2月刊行

神論
中田考  本体:3600円(税別)
あえて問おう、「神」とは何か。私たちにとって神とは? 神にとって人間とは? 読者は、本書を読み進め、概念枠組を再構築する作業過程の中で、新たに現前した「啓示唯一神教神学」を通して、従来の世界認識そのものを新たに超え出ていくことになる。イスラームを超えたイスラームの真義を開示する、一神教の入門書。著者渾身の主著。
ニッポンのムスリムが自爆する時
松山洋平  本体:2400円(税別)
東大の先生と考える、宗教としてのイスラーム。ムスリムの生きる日本は、あなたが生きるこの日本だ。日本でもどんどん増えるムスリムやモスク。わたしたちは、ほんとうに「共生」できるのか? ちょっと変わった入門書!?
地下で生きた男
リチャード・ライト  上岡伸雄訳  本体:3600円(税別)
無実の殺人の罪を着せられて警察の拷問を受け、地下の世界に逃げ込んだ男の奇妙で理不尽な体験。20世紀黒人文学の先駆者として高い評価を受ける作家の、充実期の長篇小説、本邦初訳。重要な中短篇5作品を併録した、日本オリジナル編集!
町の本屋という物語
奈良敏行  三砂慶明編  本体:2200円(税別)
本は、本屋は、これからも大丈夫――そのように思わせてくれる一冊である。本屋「Title」店主・辻山良雄さん推薦! 鳥取の定有堂書店は、いかにして地域の文化拠点となり、日本中から本好きや書店員が足を運ぶ「聖地」となっていったのか。名店の店主が折に触れつづった言葉から、その軌跡が立ち現れる。〈本の力〉が疑われる今まさに、手に取るべき一冊。
かくして、死刑は執行停止される
菊田幸一  本体:2400円(税別)
死刑廃止に身を捧げてきた著者がしたためる信念の書。『死刑廃止について、「学者」に止まらず「活動家」としても先駆的にその人生をかけて取り組んだ菊田幸一先生が渾身の力を込めて学術的でかつ歴史を語った「遺言書」である。』(平岡秀夫/元法相/弁護士)

■ 2024年1月刊行

スリーパー・エージェント
アン・ハーゲドーン  布施由紀子訳  本体:2700円(税別)
【アメリカ探偵作家クラブ〈エドガー賞〉犯罪実話賞ファイナリスト】オッペンハイマー率いる核開発計画施設に潜入した〈原爆スパイ〉の秘密! ソ連はなぜアメリカによる広島・長崎への投下からわずか4年という短期間で原爆を開発できたのか? その鍵を握るアメリカ生まれの赤軍スパイ、コードネーム=〈デルマー〉は、いかにして、最高機密取扱資格を得て、〈マンハッタン計画〉に潜入したのか? 米国人ジャーナリストが秘密の生涯に迫る。
うつ病 隠された真実
ヨハン・ハリ  山本規雄訳  本体:3200円(税別)
大ヒット『麻薬と人間 100年の物語』著者の次回作。エルトン・ジョン、ヒラリー・クリントン、ナオミ・クライン推薦! 「絶望の病」に、抗うつ薬は本当に効くのか!? 9つの本当の原因と、克服するための7つの方法。病気の認識を改め、苦しむ人に道を拓く、アメリカで大反響を呼んだ話題書。
孤独と神秘
村山木乃実  本体:3800円(税別)
もう一つのイラン革命。フーコーが礼賛し、サルトル、フランツ・ファノンと交友した知られざる現代イスラームを代表する知識人アリー・シャリーアティーの全貌!
王朝和歌、こんなに面白い
中原文夫  本体:1600円(税別)
王朝社会の笑える話がいっぱい! 王朝貴族の大胆で細やかな恋愛モード、宮廷サロンの貴公子と女たちの輝き、和歌の不思議な力がもたらす悲喜劇、楽しくて奥深い伝統文芸の世界。NHK大河ドラマ「光る君へ」が 面白くなる!
二〇二〇年という幕末
澤井繁男  本体:2000円(税別)
コロナ禍に揺れる二〇二〇年の日本から幕末の蘭医で近代化学の祖である川本幸民のなした翻訳文化の知の体系を照射した表題作と、ルネサンスを生きた人文主義者マキァヴェッリの宗教への想いを描いた「残映のマキァヴェッリ」。日本とイタリアを舞台に、「近代」とは何かを鋭く問う、歴史小説集!

■ 2023年12月刊行

戦史の余白
大木毅  本体:2000円(税別)
世界を一変させた歴史に残る戦い。だがそこには、語られない余白が必ずある――。軍事史の第一人者による、最新の戦史。
日本の「これから」の戦争を考える
関口高史  本体:2400円(税別)
他国の善意に自国の安全を任せる時代は終わった。戦争は我々を待ってはくれない。現代戦の教訓となる過去の二つの戦いから具体的に学び、現実になりつつある「脅威」へいかに対処すべきか。その視座となる「戦争の基本的事項」「戦略環境の醸成」「抑止対処戦略の基本コンセプト」、そして具体的な「島嶼防衛」などを考える〈資〉を安全保障研究の第一人者が示す。安全保障政策の基本的視座。
津田青楓
大塚信一  本体:2700円(税別)
洋画・日本画・書の作家、図案家・装幀家、俳人・歌人・随筆家──。明治・大正・昭和の激動の時代を必死に生き抜いた多面的な芸術家の生き方を描く、初の本格的評伝!
痛風の文化史
ロイ・ポーター  G・S・ルソー  石塚久郎監訳  青柳伸子  本体:4800円(税別)訳
「王様の病気」にして「病気の王様」。医学史と文学研究の第一人者が手を組み、この誉れ高くかつ滑稽な病の文化的・医学的・芸術的歴史を、古代ギリシアから近現代まで包括的に記した名著!
加賀乙彦長篇小説全集 第十五巻 雲の都2 時計台
加賀乙彦  本体:3800円(税別)
精神医学教室に入局して精神科医としての第一歩を踏み出した小暮悠太。研修を経て東京拘置所の医務官となった悠太は、あらゆる種類の犯罪者が集まっていることに興味をそそられ、やがて死刑囚の拘禁反応を研究することに。順調に医者への道に進み始めた悠太だが、一方で十歳年上の人妻と抜き差しならない関係を結び、懊悩する――。『永遠の都』に続く自伝的大河小説の戦後編。毎日出版文化賞特別賞受賞。
回想 市民運動の時代と歴史家
和田春樹
ロシア革命五〇周年の年に初の業績を上げ、翌年、反戦・反米軍の市民運動を立ち上げ、ベトナム戦争と闘う──。金大中拉致事件から日韓連帯運動へ、成長した歴史家はモスクワへ向かい、彼の地で民衆とブハーリン夫人と出会う──。市民運動を多くの仲間たちと実践した歴史家が描く時代の記録!
魂の語り部 ドストエフスキー
藤倉孝純  本体:2700円(税別)
偉大な作家の始原とは何かに迫る、渾身の文芸批評! 理想に挫折し、シベリアの監獄で書かれた『スチェパンチコヴォ村とその住人』、文壇復帰後の『死の家の記録』、『夏象冬記』、『地下室の手記』などを通じて、「魂の語り部」としてのドストエフスキーの姿がはじめて現われる。

■ 2023年11月刊行

反資本主義
デヴィッド・ハーヴェイ  大屋定晴監訳  本体:3200円(税別)
コロナ禍で続けられた人気ポッドキャスト「David Harvey’s anti-capitalist chronicles」の書籍版、待望の日本語訳刊行! 地球沸騰時代、パンデミック、差別と分断、増大する地政学的リスク……。グローバル経済は、崩壊の危機を乗り越えられるのか? マルクス理論からの分析と大胆な代替案。著者自身による広範な著述活動全体に対する手頃な入門書、かつベストセラー『新自由主義』の「続編」。
異国人たちの江戸時代
森田健司  本体:3600円(税別)
江戸時代265年を網羅した初の異国人見聞録本。数多くのキリスト教会があり、世界有数の美味なパンが売られている……整理された歴史書には描かれない、生々しい歴史の姿が立ち現れる!
増補新版 現代語訳 墨夷応接録・英国策論
アーネスト・サトウ(『英国策論』) 著  森田健司 編訳・校註・解説  本体:3400円(税別)
明治維新以後150年の常識を覆す。「黒船来航」に対して、幕府は本当に弱腰だったのか? 将軍を大大名の一人としての「本来の地位」に戻すべきだと主張したアーネスト・サトウの主張は、歴史を動かしたのか? 幕末・維新に関する最重要史料でありながら一般にはほとんど知られることのなかった二書、初の現代語訳!
フット・ワーク
タンジー・E・ホスキンズ  北村京子訳  本体:2700円(税別)
“足元”から世界を考える。あなたが履いている靴が、どこから来たか知っていますか? 私たちを、どこに連れて行くのかも――。エマ・ワトソン「究極のブックリスト」に選ばれた話題のジャーナリストによる告発。
森のロマンス
アン・ラドクリフ  三馬志伸訳  本体:3600円(税別)
都パリを逐電したラ・モット夫妻は、荒野の一軒家で保護した美しき娘アドリーヌとともに、鬱蒼たる森の僧院に身を隠す。彼らを待ち受けるのは恐るべき悪謀――。今なお世界中で読み継がれる名著『ユドルフォ城の怪奇』に先駆けて執筆され、著者の出世作となったゴシック小説の傑作。刊行から二三二年を経て本邦初訳!
評伝 立花隆
高澤秀次  本体:2700円(税別)
政治・脳死・宇宙・細胞・絵画・音楽・文学・教育……。関心領域のあらゆる事象を論じ続けた、不世出の万能知識人(ゼネラリスト)。その仕事と生涯を丹念に追う、名手による長篇書き下ろし評伝。
夏のレクィエム
小川征也  本体:2000円(税別)
妻は末期がん、最後の日々にふたたび咲くロマン!
賢者の占術 量子編
すみだ喜子  本体:1364円(税別)
時空を超えて、おおいなるあなたへ帰還

■ 2023年10月刊行

マゼラン船団 世界一周500年目の真実
大野拓司  本体:2700円(税別)
日本も巻き込まれた西欧の大航海時代について、著者はアジアの視点から新事実を掘り出している。大航海時代と日本についての洞察も、じつに興味深い。――保阪正康氏推薦!(ノンフィクション作家)。まから500年前、グローバリゼーションの嚆矢となった、マゼランたち。なぜ彼らは、東アジアにむかったのか、そして、遭遇してしまったフィリピンの人々は、どう彼らを迎えたのか。膨大な記録・資料の調査、現地取材をもとに、丁寧に解きほぐされる“真実”。【画像・資料多数】
マレーシアに学ぶ経済発展戦略
熊谷聡  中村正志  本体:2600円(税別)
安定した経済成長、高所得国入り目前。いったい何が、それを可能にしたのか? 特別な好条件に恵まれていないこの「普通の国」は、年率5%程度の成長を続け、さらに近年、グローバルサウス、東南アジアの中核国として急速に存在感を高めている。本書で紹介される、成長戦略、経済政策、政治の詳細な分析は、「失われた30 年」の日本にも示唆を与える。
善鸞
三田誠広  本体:2600円(税別)
親鸞の嫡嗣にして義絶された宗門の異端者! 造悪無礙など非道に奔る東国の門徒を鎮めるため親鸞の命で下向した嫡嗣善鸞。性信・真仏ら親鸞面授の門弟との確執、忍性・日蓮ら鎌倉仏教の名僧たちとの諍論を経て独自の道を辿る。
哲学用語入門
T・W・アドルノ 高橋順一訳  本体:6000円(税別)
アドルノの遺作。用語解説による哲学入門! 46回に亙りフランクフルト大学で行われた円熟期の連続講義。観念論と実在論、合理論と経験論、唯心論と唯物論など数多の基本用語に論及しつつその哲学的意義と作用を平易に解説。
パピルスのなかの永遠
イレネ・バジェホ  見田悠子訳  本体:4800円(税別)
世界100万部の大ベストセラー。スペインでもっとも著名な作家のひとりである著者が贈る、書物の歴史のはじまりを綴った、壮大な一冊。「今日の読者が来世にあるときもなお、この本は読み継がれゆくだろうという、絶対的な確信がある」――マリオ・バルガス=リョサ
ハワイの伝承と神話
デイヴィッド・カラカウア、リリウオカラニ  和爾桃子・山口やすみ訳  本体:5400円(税別)
口承歴史と神話の数々を、国王自ら記録した書物、初の完訳。王家に伝わる創世神話の全訳を併録。ハワイ諸島の文化と歴史を、より深く知るために。フラの参考書や旅の副読本としても、最適の一冊!【本書の売り上げの一部を、マウイ島の山火事の復興支援のために寄付いたします。】

■ 2023年9月刊行

ドゥルーズ+ガタリ〈千のプラトー〉入門講義
仲正昌樹  本体:2200円(税別)
現代思想の“バイブル”を本邦初、完全攻略。「リゾーム」、「抽象機械」、「リトルネロ」など、なんとなく訳知り&一知半解に使われ過ぎる用語やヘンテコリンな概念などを辛抱強く丁寧に説明。スピノザ、ニーチェ、フーコーや生物学史、文化人類学、精神分析、小説などをはじめ、その背景にある膨大な思想や文脈を抑え、きちんと詳細に解説。難しすぎる、よって途中で挫折することで有名なテクストを、この一冊で完全読解。これ以上にない唯一の入門書。
UFO vs. 調査報道ジャーナリスト
ロス・コーサート  塩原通緒訳  本体:3200円(税別)
《「中国気球撃墜」事件を受けて書かれた原書改訂版への増補を収録!!》こんなに明瞭に見られているものが、なぜ「正体不明」なのか? 受賞歴多数の豪有名ジャーナリストが、現代のグレート・タブーを徹底追跡!! 調査報道ジャーナリストとして、豪テレビ界の最高峰ロギー賞を受賞した著者が、ロズウェル事件から近年のケースまで、有名なUFO目撃事件への各国当局の対応を、目撃者や調査関係者へ直接取材し徹底検証。現在も進行中の国家内部での情報隠匿と開示要求をめぐる攻防をつぶさに追い、謎に挑む。
新装版 哲学の集大成・要綱 第三部 精神哲学
ヘーゲル  長谷川宏訳  本体:6000円(税別)
ヘーゲル哲学の集大成! 『エンチクロペディ』第三部。改めて精神とは何か。「第一篇 主観的精神」「第二篇 客観的精神」「第三篇 絶対精神」の構成のもとに、個人の欲望・理性・想像力から法・道徳・国家そして芸術・宗教・哲学まで人間精神の全営為を総攬するヘーゲル哲学の精髄。
現代語訳 源氏物語 四
紫式部  窪田空穂訳  本体:2700円(税別)
歌人にして国文学界の泰斗による現代語訳。作品の叙事と抒情、気品を保ち柔らかな雰囲気を残す逐語訳と、和歌や平安時代の風俗・習慣への徹底した註釈で、『源氏物語』の世界を深く理解する。五十四帖を全四巻にまとめて刊行。装画・全帖挿画:梶田半古。【2024年NHK大河ドラマ「光る君へ」関連書!】
夢に追われて
朝比奈弘治  本体:2400円(税別)
レーモン・クノー『文体練習』を手がけた名翻訳者/フランス文学者による、奇想の小説集。パンデミック後の世界を描く傑作短篇から近未来ディストピア・フィクションまで、驚異とユーモアに満ち満ちた全16篇。
桜木柴乃の肖像
南富鎭  本体:2400円(税別)
釧路出身の直木賞作家桜木紫乃の文学の特性とは何か? 英国のジェイムズ・ジョイス文学と読み比べつつ、クシロ(釧路)を舞台にした「北海道文学」のアイデンティティーをも同時に模索し、熱烈なファンを持つその作品の核心に迫る。
加賀乙彦長篇小説全集 第十四巻 雲の都1 広場
加賀乙彦  本体:3800円(税別)
サンフランシスコ講和条約が発効した直後の一九五二年五月一日、皇居前広場には政府に抗議する多くの労働者や学生が集まっていた。東大の医学生となり、セツルメント活動に関わっていた小暮悠太もその中にあった――。占領が解かれ、新時代に向けて胎動する中、小暮家の新たな歴史が紡がれていく。 『永遠の都』に続く自伝的大河小説の続編、ついに開幕。 毎日出版文化賞企画特別賞。

■ 2023年8月刊行

新版 仏教と事的世界観
廣松渉  吉田宏晢  塩野谷恭輔解説  本体:2700円(税別)
無vs.事?! 酔人vs.学僧? 衆生vs.覚者! 戦後日本を代表する哲学者が、深遠なる仏教と全面対峙。ざっくばらんに「近代」の限界に挑む。日本思想史でも、決して掬いとることのできない稀有な対談。
ブキの物語/クレオール民話
シュザンヌ・コメール=シルヴァン マダム・ショント  松井裕史訳
あまりに強欲で残酷、でも間抜けでだまされてばかりいる力の強き者と、悪知恵をたくみに使って狡猾に生きのびる、小さき者。カリブ海の島国ハイチと仏領グアドループで採集された民話、全72話。詳細な訳者あとがきで、物語の成り立ちや植民地時代からの歴史と文化も深く理解できる。

■ 2023年7月刊行

私たちの生活をガラッと変えた物理学の10の日
ブライアン・クレッグ  東郷えりか訳  本体:2400円(税別)
スマートフォンも、エアコンも、インターネットも、飛行機も、“この日”がなければ存在しなかった! 人気サイエンスライターが送る、物理学の歴史をめぐる旅。私たちの日常生活を決定的に一変させた、歴史の中の「10の日」をピックアップ。そこで起こった出来事と、もたらしたものを魅力的に紹介する。さらに、人類の次の偉大なる発見=「11日目」には、何が待っているのか? 熱力学、超電導、トランジスター、発光ダイオード、そして、核融合、インターネットまで、科学的発見の歴史を探索するブレイクスルーの科学史。
芝居の面白さ、教えます 海外編
井上ひさし  本体:3200円(税別)
敬愛する戯曲家の伝記的事実、演劇史の解説、演出の仕方、せりふの一言一句への詳細な解釈、ト書きの読み方、舞台装置の使い方――井上ひさしの芝居に関する蘊蓄・愛情が縦横に語られた未発表の「戯曲講座」!
芝居の面白さ、教えます 日本編
井上ひさし  本体:2700円(税別)
敬愛する戯曲家の伝記的事実、演劇史の解説、演出の仕方、せりふの一言一句への詳細な解釈、ト書きの読み方、舞台装置の使い方――井上ひさしの芝居に関する蘊蓄・愛情が縦横に語られた未発表の「戯曲講座」!
現代語訳 源氏物語 三
紫式部  窪田空穂訳  本体:2700円(税別)
歌人にして国文学界の泰斗による現代語訳。作品の叙事と抒情、気品を保ち柔らかな雰囲気を残す逐語訳と、和歌や平安時代の風俗・習慣への徹底した註釈で、『源氏物語』の世界を深く理解する。五十四帖を全四巻にまとめて刊行。装画・全帖挿画:梶田半古。【2024年NHK大河ドラマ「光る君へ」関連書!】

■ 2023年6月刊行

憧れの感情史
山口みどり・中野嘉子編著  本体:3600円(税別)
19世紀から20世紀にかけては、増幅するスペクタクルのなかで「憧れ」の経済価値が高まり、「憧れ」の形を戦略的に操作した時代である。この「憧れ」の構築する近代に、女性たち、とくに既存の価値観を乗り越えようとする「新しい女性」たちはどうかかわったのだろうか。本書は、国内・海外の研究者たちが共同で、「憧れ」とジェンダーを軸に歴史を読み解く。
眠れる記憶
パトリック・モディアノ  山崎美穂訳  本体:2600円(税別)
記憶の芸術家、ノーベル文学賞受賞後の第一作。小さな偶然と大きな奇跡──忘却と想起を詰め込んだ、日本語版オリジナル編集の小説集。
エルドアンが変えたトルコ
間寧  本体:2700円(税別)
大変革をもたらした“引力政治”とは何か? BRICSの次、「NEXT11」として注目を集める新興国トルコ。その躍進を実現したエルドアン長期政権。政権維持の政治戦術を、現代トルコ研究の第1人者が、20年以上の現地調査とデータ分析に基づき解き明かす。地政学的要衝トルコの今後と、新興国の政治力学を理解するための必読書。
新装版 哲学の集大成・要綱 第二部 自然哲学
ヘーゲル  長谷川宏訳  本体:7000円(税別)
ヘーゲル哲学の集大成! 『エンチクロペディ』第二部。理性の貫徹する自然界はどのような構造にあるか。〈力学〉〈物理学〉〈有機体学〉の三つの区分で世界総体を概念的に把捉する。無機的自然から生命の登場、自然の死と精神の成立までの過程を体系的に描くヘーゲル哲学の基盤。『論理学』から『精神哲学』へ至る「哲学体系」の要諦。

■ 2023年5月刊行

裏日本的
正津勉  本体:2700円(税別)
「裏日本ふきぶりはげし素寒貧 勉」豪雪と日本海の荒波に晒される人と風土。古事記・万葉から近・現代までの文学作品に描かれた「裏日本」の心!
現代語訳 源氏物語 二
紫式部  窪田空穂訳  本体:2700円(税別)
歌人にして国文学界の泰斗による現代語訳。作品の叙事と抒情、気品を保ち柔らかな雰囲気を残す逐語訳と、和歌や平安時代の風俗・習慣への徹底した註釈で、『源氏物語』の世界を深く理解する。五十四帖を全四巻にまとめて刊行。装画・全帖挿画:梶田半古。【2024年NHK大河ドラマ「光る君へ」関連書!】
洲浜論
原瑠璃彦  本体:3600円(税別)
海辺から日本を見る――。古代から日本文化の各所で継承されてきた日本特有の海辺の表象〈洲浜〉の全貌に迫る、壮大で画期的な文化史。まったく新しい視点で日本文化をひも解く、新鋭のデビュー作。
加賀乙彦長編小説全集 第十二巻 永遠の都3 炎都 上
加賀乙彦  本体:3800円(税別)
戦争が日常を覆い暗雲が立ち籠める中、悠太は陸軍幼年学校での厳しい訓練の日々を過ごす。母・初江は、弟・研三の疎開先の草津へ行くが、その帰り、上野駅で三月十日の大空襲に遭遇、辛くも一命をとりとめる。一方、苦しい経営に耐えながら、何とか診療を続けていた祖父・時田利平の病院も空襲によって焼け落ち、利平は全身に大火傷を負って失明する……。戦争に翻弄されながらも、ひたむきに生きていく人びとの姿を活写する大河小説、いよいよ佳境へ――。芸術選奨文部大臣賞。
加賀乙彦長編小説全集 第十三巻 永遠の都3 炎都 下
加賀乙彦  本体:3800円(税別)
ようやく戦争が終わり、焼け残った東京の我が家へ戻ってきた悠太は、深い喪失感を抱きながらも都立高校へ進学して、新たな生活が始まる。離ればなれになっていた一家がともに暮らせるという喜びも束の間、長年、時田病院を牽引してきた祖父・利平が七十二年の生涯を終える。戦争という惨禍に彩られた時代を生き抜いてきた時田家、小暮家三代の物語がついに大団円を迎える。芸術選奨文部大臣賞。

■ 2023年4月刊行

戦争に行った父から、愛する息子たちへ
ティム・オブライエン  上岡伸雄・野村幸輝訳  本体:2400円(税別)
「遠い戦地で兵士だった時代について、腹を割って、君に話してみたい」。戦争の真実を伝え続けて著名なベトナム帰還兵の作家による、五十歳を過ぎて生まれた二人の息子と、いつか去り行くこの世界への、慈愛に満ちたメッセージ。
人生を豊かにする科学的な考えかた
ジム・アル=カリーリ  桐谷知未訳  本体:1800円(税別)
科学者たちと同じように世界を見るために――。英国王立協会のマイケル・ファラデー賞を受賞した注目の理論物理学者による、今よりもちょっとだけ科学的に考えて生きるための8つのレッスン。
マチスのみかた
猪熊弦一郎  本体:2700円(税別)
〈いのくまさん〉が教えてくれる〈マチス先生〉の芸術と生涯。戦時下フランスに遊学し、「世界で一番すばらしい芸術家」に直接教えを受けた洋画家による、評論/エッセイを集成。最初期の油絵から晩年の切り絵まで、100点超の作品を収録!
光と陰の紫式部
三田誠広  本体:2400円(税別)
『源氏物語』に託された宿望! 幼くして安倍晴明の弟子となり卓抜な能力を身に着けた香子=紫式部。皇后彰子と呼応して親政の回復と荘園整理を目指し、四人の娘を四代の天皇の中宮とし皇子を天皇に据えて権勢を極める藤原道長と繰り広げられる宿縁の確執。書き下ろし長篇小説。2024年NHK大河ドラマ『光る君へ』関連本!
巴里の雨はやさし
小川征也  本体:2000円(税別)
文芸評論家・富岡幸一郎氏推薦! 1923年、大正12年の関東大震災から時を経てフランスはパリの都に渡った一人の日本人。ベルエポックと呼ばれた20世紀の麗しの時代は、欧州の戦乱で失われたが、我が主人公はヴァイオリンを片手に、新たなふらんす物語を紡ぎ出す。パリジェンヌとの恋は成就するのか。波瀾万丈の日仏混合のコメディであり、小説のキュービズムがここに誕生する。新たなふらんす物語。

■ 2023年3月刊行

クレマンソー
ミシェル・ヴィノック  大嶋厚訳  本体:6000円(税別)
本邦初の本格的評伝。パリ・コミューンから政治を志し、議会の論戦では“虎”と恐れられた「ドレフュス事件」の闘士。第一次大戦、文民統制のもと戦時内閣を率いた「勝利おじさん」。民主主義と「ライシテ」(政教分離)の強力な擁護、第三共和制を体現した男。格差是正への強い意志、反植民地の主張と世界に開かれた個人主義者。同時代人たちを魅了し、画家クロード・モネの親友であり、日本美術を愛した“英雄的”政治家の多彩な生涯をフランス史の大家が余すところなく描き切る。フランスで権威あるオージュルデュイ賞受賞!
装幀余話
菊地信義  本体:2700円(税別)
生きていることのすべてが装幀の素材になっていた。一万五千点余の本を手がけた稀代の装幀者が語り下ろした、本と装幀への思い。
現代語訳 源氏物語 一
紫式部  窪田空穂訳  本体:2700円(税別)
歌人にして国文学界の泰斗による現代語訳。作品の叙事と抒情、気品を保ち柔らかな雰囲気を残す逐語訳と、和歌や平安時代の風俗・習慣への徹底した註釈で、『源氏物語』の世界を深く理解する。五十四帖を全四巻にまとめて刊行。装画・全帖挿画:梶田半古。【2024年NHK大河ドラマ「光る君へ」関連書!】
新装版 哲学の集大成・要綱 第一部 論理学
ヘーゲル  長谷川宏訳  本体:6000円(税別)
ヘーゲル哲学の集大成! 『エンチクロペディ』第一部。一般に『小論理学』として知られる本書は、ヘーゲル哲学の精髄を、講義用手引き、注解、口頭説明により解りやすく解き明かす。ここで論理とは思考の骨組みだけでなく現実総体の骨組みを指す。そのため本書は思考の論理学以上に、世界の論理学、存在の論理学となる。

■ 2023年2月刊行

ロシア・サイバー侵略
スコット・ジャスパー  川村幸城訳  本体:2600円(税別)
ロシアの逆襲が始まる! 詳細な分析&豊富な実例、そして教訓から学ぶ最新の対応策。アメリカ・サイバー戦の第一人者による、実際にウクライナで役立った必読書。Dr.コルスンスキー・セルギー駐日ウクライナ特命全権大使 推薦!
アナーキズム
森政稔  本体:2700円(税別)
アナーキズム思想研究の決定版!! 近年の民主主義への鋭利な分析で注目されている論者が、これまで長年取り組んできた研究成果を結集させた待望の一冊。
慈悲の糸
ルイ・クペールス  國森由美子訳  本体:2600円(税別)
オランダの文豪が描き出す、日本の原風景。大正時代、五か月にわたって日本を旅したオランダを代表する世界的な作家が、各地で見聞・採集した民話・神話・伝承や絵画などから広げたイメージをもとに描いた物語、全30話。著者没後100年記念出版!
加賀乙彦長編小説全集 第十一巻 永遠の都2 小暗い森
加賀乙彦  本体:3800円(税別)
小学校高学年になった悠太の淡い恋、世界一周に出かける父・悠治、ヴァイオリンの才能に目覚める妹の央子……小さな波風を立てながらも平穏な暮らしを続ける小暮家。妻・菊江の死を乗り越えて大きく発展していく利平率いる、時田病院。不幸な結婚から新たな恋を獲得する時田家の次女・夏江……そんな両家の日常を一気に押しつぶす太平洋戦争の開戦と、相次ぐ東京への空襲。戦時体制下に暮らす人びとの運命を稠密に描く大河小説。芸術選奨文部大臣賞。
新時代を生きる劇作家たち
西堂行人  本体:2700円(税別)
シライケイタ、古川健、瀬戸山美咲、長田育恵、中津留章仁、野木萌葱、横山拓也。今、まさに絶頂期にあるドラマティストの7人が、その演劇人生と創作への想いを熱く語る。
男子にあらずんば 子どもにあらず
小石房子  本体:1800円(税別)
女で生まれたことの大変さ。長年、女性史に携わってきた著者が、人生を振り返りつつ、大変だった戦争の記憶、男尊女卑な社会を、静かに語る。激動の昭和から令和まで――生き抜いた著者しか書きえない次世代に贈るエッセイ。

■ 2023年1月刊行

デッサ・ローズ
シャーリー・アン・ウィリアムズ  藤平育子訳  本体:2700円(税別)
「人間が高められている、ひたすら人間的」――トニ・モリスン。妊娠中の身を賭して、奴隷隊の反乱に加わった黒人の少女デッサ。逃亡奴隷たちをかくまい、彼らとともに旅に出る白人女性ルース。19世紀アメリカの奴隷制度を描く黒人文学の重要作、本邦初訳! 巻末附録:「霊的啓示 トニ・モリスンとの会話」
ミダック横町
ナギーブ・マフフーズ  香戸精一訳  本体:2700円(税別)
「ミダック横町が過ぎ去りし時代の偉大なる遺産で、かつてはカイロの街に真珠のごとく光り輝いたであろうことは間違いない」。カイロの下町に生きる個性豊かな人々の姿を軽妙に描く、ノーベル文学賞作家による円熟の傑作長編、本邦初訳!
若きヴェルターの悩み/タウリスのイフィゲーニエ
ゲーテ  大宮勘一郎訳  本体:3600円(税別)
ロッテ! ロッテ!――俺はもうお終いだ! 感覚は混乱しちまうし、もう一週間もまともに考えることができなくなっちまって、目は涙でいっぱいだ。人生の意味に取り憑かれて破滅する知的アウトローの魂の叫びが響き渡る、21世紀のヴェルター! 神話的運命の固い絆を解く「人間」的誠実を謳いあげ、しかしその裏面に虚しき愛の漂流を予感させる「タウリスのイフィゲーニエ」を併録。

■ 2022年12月刊行

ヴォロディミル・ゼレンスキー
ギャラガー・フェンウィック  尾澤和幸訳  本体:1800円(税別)
なぜ「危機」に立ち向かえるのか? 第一級ジャーナリストがその半生をさぐる。膨大なインタビューと現地取材によって、オモテとウラの全てを明らかにする初の本格評伝。フランス、イタリア、ポーランド、チェコ、ハンガリー、エストニア、ルーマニア……各国で続々刊行。全欧注目の書!
増補新版 テロルの現象学
笠井潔  本体:4200円(税別)
世界内戦と貧困化の時代に、暴力(テロ)を根源的に考える。1972年連合赤軍事件の衝撃から半世紀。産業労働者の階級脱落(デクラセ)化による経済的貧困やアイデンティティ危機による暴力、頻発する無動機大量殺傷。そして山上徹也による安倍晋三銃撃事件。いま世界は、剥き出しの暴力の時代を迎えている。この時代に生まれた我々が読むべき必読の一冊。
沖縄の岸辺へ
菊地史彦  本体:2800円(税別)
沖縄ブームの内実、「反復帰」論の相貌、島唄と沖縄式野球、基地問題をめぐる沖縄内部の「分断」と沖縄と本土の「軋轢」――。1972-2022。復帰後の半世紀という時間の中で起きた様々な事象は、沖縄と本土の人々のこころに何をもたらしたのか?
要約 イスラーム学知の革命
ガザーリー  中田考監訳  山本直輝訳  木村風雅解説  本体:5400円(税別)
「イスラームの書籍が全て消えたとしても、本書が残れば、失われたものを補って十分である」。 〈ムハンマド以後に生まれた最大のイスラーム教徒〉によるイスラーム学の最も標準的な古典「神学大全」。宗派的相違を超えて、900年以上にわたってイスラーム世界で幅広く受け入れられ続けたイスラームを“大掴み”するのに最適な書。
線が血を流すところ
ジェスミン・ウォード  石川由美子訳  本体:2600円(税別)
サーガはここから始まった! 高校を卒業して自立のときを迎えた双子の兄弟を取り巻く貧困、暴力、薬物――。そして育ての親である祖母への愛情と両親との葛藤。全米図書賞を二度受賞しフォークナーの再来とも評される、現代アメリカ文学を牽引する書き手の鮮烈なデビュー作。
不思議の探偵/稀代の探偵
アーサー・コナン・ドイル  アーサー・モリスン  南陽外史訳  高木直二編・解説  本体:3600円(税別)
明治32年に「中央新聞」に連載された『シャーロック・ホームズの冒険』全12作の翻案と、翌33年に同紙に連載された「マーチン・ヒューイット」シリーズからの5作品の翻案。日本探偵小説の黎明期に生み出された記念碑的な作品の数々を、120年以上の時を経て初単行本化! 初出紙の挿絵129点を完全収録!
犬が尻尾で吠える場所
エステル=サラ・ビュル  山崎美穂訳  本体:2700円(税別)
パリとカリブ海、一族の物語。小さな島の一つの家族の歴史と世界の歴史・人・文化が混ざり合い、壮大な物語が展開される――。カリブ海/全=世界カルベ賞などを受賞し、各所で好評を博した著者デビュー小説!
秘薬紫雪/風のように
竹久夢二  本体:2400円(税別)
「矢崎忠一は、最愛の妻を殺しました」。陸軍中尉はなぜ、親友の幼馴染である美しき妻・雪野を殺したのか。問わず語りに語られる、舞台女優・沢子の流転の半生と異常な愛情。大正ロマンの旗手による、謎に満ちた中編二作品。挿絵106枚収録。解説:末國善己
加賀乙彦長編小説全集 第十巻 永遠の都1 岐路
加賀乙彦  本体:3800円(税別)
東京・三田綱町で一大外科病院を築き上げた元海軍軍医の時田利平の一族が辿る数奇な運命を、昭和の初頭から太平洋戦争の敗戦、復興にいたるまでの時期を背景に描いた、空前の大河小説。二・二六事件に遭遇する陸軍中尉の脇敬助、利平の次女でセツルメント運動に献身する時田夏江、夏江の甥で大人たちの世界を垣間見ていく小学生の木暮悠太……。それぞれの運命が大きく変転していく――。芸術選奨文部大臣賞。

■ 2022年11月刊行

女たちのレボリューション
ジュディ・コックス  北村京子訳  本体:2400円(税別)
ソ連成立100年、革命をなしたのは、男たちだけではない。歴史の忘却から、彼女たちを呼び戻す! レーニンに先んじて、革命に身を投じた姉アンナ含む9人の列伝を収録。
パゾリーニ
四方田犬彦  本体:12000円(税別)
生誕百年・巨大なる謎。現代イタリア最大の詩人の一人にして、人間の禁忌を問い続けた映画監督。少年愛の小説家にして、挑発的な政治批評家。無垢の情熱に満ちた人生と芸術を、縦横無尽に解明。書下ろし3000枚、畢生のライフワーク!
ルイス・ブニュエル【増補改訂版】
四方田犬彦  本体:6300円(税別)
危険な巨匠! シュルレアリスムと邪悪なユーモア。ダリとの共作『アンダルシアの犬』で鮮烈にデビュー。作品ごとにスキャンダルとセンセーションを巻き起こした伝説の巨匠。過激な映像と仮借なき批評精神を貫いたその全貌を解明する。芸術選奨文部科学大臣賞受賞作を増補改訂!
統一教会と改憲・自民党
佐高信  本体:2000円(税別)
〈憲法改正〉は、 “統一教会”と “岸信介−安倍晋三”の二人三脚で押し進められてきた! その歴史と実態を暴く!
ファウスト
ゲーテ  粂川麻里生訳  本体:5400円(税別)
ほぼ全てのセリフが詩であり、韻律を持った言葉として書かれた歌劇の魅力を最大限に引き出した、声に出して読む『ファウスト』! マルチヴァース(多層宇宙)の世界観が舞台上に展開される稀有な演劇作品の最新訳。
福島第一原発事故中通り訴訟
野村吉太郎編著  本体:3900円(税別)
感動的な裁判の記録――。いかに住民は闘い、いかに勝利したか? 「中通り訴訟」とは、避難せずに福島市などで暮らした五二人が、原発事故で 精神的損害 を被ったとして、東電に計約一億円の支払いを求めた損害賠償請求訴訟である。地裁は住民側が勝訴したが、東電は高裁に控訴、さらに最高裁に上告。 最高裁は東電の上告受理申し立てを退け、中間指針の金額を超える住民の精神的損害を認めた高裁判決が確定した。
曙食堂
東野光生  本体:1800円(税別)
昭和の心を描く感動の書き下ろし長篇小説。戦災によって語り難い悲運を甘受せねばならなかった一人の帰国留学生深山千蔵が、戦後まもなく引き始めた一台の屋台車。そしてそこから始まる一つの鎮魂の物語。
あの日々
高木國雄  本体:1800円(税別)
有罪率99.9%を支える暗黙の仕組み。若き司法修習生が直面した法曹界の実態。司法に志した有為の新人たちを待ち受ける現実の罠。ベテラン弁護士が活写する迫真の法廷小説。

■ 2022年10月刊行

縄文論
安藤礼二  本体:2700円(税別)
芸術の起源にして社会の起源に立ち還り、人間の思考と表現のあり方を相対化しつつ新たな創造と思索の地平を切り拓く! 人間の思考と存在の起源!
Forget it Not
阿部大樹  本体:2200円(税別)
精神科医で翻訳家。二つの筆致による初めての論文/エッセイ集。エッセイなど11篇+各篇への書き下ろし「あとがき」。「忘れてしまったら記録もされず消えていくばかりのことが案外あるもので、せめていつか思い出せるようにとこれまで文章を書いてきました」──「はじめに」より
新海誠論
藤田直哉  本体:2000円(税別)
映像作品、関連書籍、本人インタビューなど網羅、『すずめの戸締まり』への軌跡を完全解明! 「危機の時代を健やかに生きる」覚悟とは? 気候変動/SDGs、伝統/未来、信仰/科学、地方/都市……“新海誠”を読解することは、現代日本を問うことであり、我々の未来を救う鍵がある。分断「/」のネット時代に現れたゲーム的な作家は、如何に成熟し、世界との関係をつなぎ直すのか? 新海誠を超えた、思想としての「新海誠」。
岬 附・東京災難画信
竹久夢二  本体:2200円(税別)
「どうぞ心配しないで下さい、私はもう心を決めましたから」。天才と呼ばれた美術学校生と、そのモデルを務めた少女の悲恋。大正ロマンの旗手による長編小説を、表題作の連載中断期に綴った関東大震災の貴重な記録とあわせ、初単行本化。挿絵97枚収録。解説:末國善己

■ 2022年9月刊行

神と霊魂
子安宣邦  本体:2400円(税別)
日本人にとって、神と霊魂(たま)とは何か? なぜ、“カミ“と呼ぶのか? 「あの世」はどこにあり、霊魂はどこに落着くのか? 宣長・篤胤のテキスト(「古事記伝」「古史伝」「直毘霊」「問答録」「霊の真柱」「本教外篇」)を現代語訳し、評釈を加えつつ、日本人の深層に降り立ち、「国学」の新たなる転回を探求する。著者のライフワーク!
小説集 徳川家康
鷲尾雨工、岡本綺堂、近松秋江、坂口安吾  三田誠広解説  本体:1800円(税別)
東の大国・今川の脅威にさらされつつ、西の新興勢力・織田の人質となって成長した少年時代。秀吉の命によって関八州に移封されながら、関ヶ原の戦いを経て征夷大将軍の座に就いた苦労人の天下人。その生涯と権謀術数を、名手たちの作品で明らかにする。
加賀乙彦長編小説全集 第七巻 湿原 上
加賀乙彦  本体:3800円(税別)
一九六九年、秋。大学闘争が激化する中、フィギュアスケート場で出会った、四十九歳の自動車修理工・雪森厚夫と二十四歳の大学生・池端和香子。人生の大半を獄中で過ごした厚夫と心を病む和香子。いつしか惹かれ合うようになった二人は、突如新幹線爆破事件の容疑者として逮捕される――。清冽な釧路湿原を舞台に、魂の救済と愛情の本質を根源から問う感動の恋愛長篇。大佛次郎賞受賞。
加賀乙彦長編小説全集 第八巻 湿原 下
加賀乙彦  本体:3800円(税別)
絶大な権力をもって冤罪を仕立てていく検察・警察と、厚夫と和香子の無罪を確信して二人のアリバイ証明に奔走する弁護団との熾烈な闘いがくり広げられる――。故なき罪に余儀なく問われ、互いの愛を確かめながら、時代の激流に翻弄されていく男女の孤独な魂を描く、感動の恋愛長篇。大佛次郎賞受賞。
ドゥルーズ=ガタリ『アンチ・オイディプス』を読む
森田裕之  本体:2400円(税別)
図式的かつ体系的にパラフレーズしつつ読解。カント以降、通奏低音として流れている観念論批判=未来への革命理論として〈機械状唯物論〉を再構築し、万人に開く、独創的入門書。万人を寄せつけない難解書を独自の視点から精読。逃走線を自由に引き、その体系を創造的に開いていく。

■ 2022年8月刊行

動物のペニスから学ぶ人生の教訓
エミリー・ウィリンガム  的場知之訳  本体:2700円(税別)
「ヒトのペニスは戦争ではなく愛の道具であり、脅すためではなく親密さを高めるために用いるものだ」生物学者である著者が、奇抜な生殖器のイラストとともに動物の交尾行動に関するさまざまなエピソードを交えながら、現代にいまだはびこる男根幻想(ファラシー)と戦う科学読み物。驚きに満ちた動物のペニスの世界から、わたしたちヒトの“それ”とどう付き合うべきかが見えてくる!
カリブ海の黒い神々
越川芳明  本体:2700円(税別)
詩、絵画、映画から、宗教、逃亡奴隷、移民、そして製糖……。ディアスポラの文化や歴史を縦横に論じ、『老人と海』のまったく新たな読み解きへとなだれ込む、圧倒的な知的冒険。アフロ宗教の司祭の資格を持つ著者でなければ書き得なかった、かつてない圧巻のキューバ論。
メタル'94
ヤーニス・ヨニェヴス  黒沢歩訳  本体:2900円(税別)
90年代、あの頃の僕たち──。〈ラトヴィア文学界の新星〉によるベストセラー小説。「ヘヴィメタルは溜め込んだ邪念を破壊する力を持つ。でもまた充満する。だから破壊する。その反復運動だ。この本に出てくる青春がそうだ。そして、自分の青春もまたそうだった」――武田砂鉄(本書「解説」より)

■ 2022年7月刊行

鶴見俊輔、詩を語る
鶴見俊輔  谷川俊太郎・正津勉聞き手  本体:2200円(税別)
出鱈目の鱈目の鱈を干しておいて 夜ごと夜ごとに ひとつ食うかな 谷川 〔詩は〕やっぱりフッと出てくるんですか、なんにも考えないで。鶴見 そう。これから仕事しようとかそういうのじゃなくて、フウッと出てくるというものが詩になっているわけ。/「俊」の一字に結ばれた詩人と、元教え子の詩人を相手に、縦横無尽に詩を語る。鶴見俊輔生誕百年に甦る、幻の鼎談!
現代小説の方法【増補改訂版】
中上健次  澤秀次編・解説  本体:2600円(税別)
「地の果て」の、さらなる果てのトポスへの旅の意志。「地の果て」を、今ここに接続する獰猛で繊細な想像力。いま、小説はいかに可能か。壮大な物語世界を背景に、現代文学の異形の巨人が語る小説作法。著者絶頂期の表題作と同時期の発言「音の人 折口信夫」、「坂口安吾・南からの光」を増補した、没後30年記念改訂版!
海政戦論
柴田雅裕  本体:4500円(税別)
ウクライナのようなことは 起きるのか? 日本にとって、海がもつ意味とは? 海の「使い方」とは? 海に囲まれる列島には、いかなる政/戦略があるのか? 広大かつ長期的視点から、地政学をパラダイムチェンジ。万里の波濤を乗り越えてきた熟練の艦乗りによる覇権の鬩ぎ合いを見据えた21世紀海洋戦略の礎。
死刑と日本人
菊田幸一  本体:2400円(税別)
21世紀のいま、死刑は本当に必要なのか? 長年、「死刑」問題にかかわってきた犯罪学・刑事政策論の第一人者による死刑の精神史。慎み深く、自己責任に敏感な日本人。罪を前に、死んで詫びる国民性。それゆえにか、先進国で唯一、完全に死刑制度を存置している。謝罪と自己責任、切腹、死刑……われわれの国民性はどこから生まれてきたのか?
天海
三田誠広  本体:2600円(税別)
徳川三代(家康・秀忠・家光)を支え、江戸の繁栄を基礎づけた謎多き僧形の大軍師! 比叡山焼き討ちから、三方ヶ原の戦い、本能寺の変、小牧長久手の戦い、関ヶ原の戦いと続く戦国乱世の只中を一〇八歳まで巧妙に生き抜き、江戸二六〇年の太平を構築した無双の傑物が辿る壮大な戦国絵巻。【書き下ろし歴史長篇小説】2023年NHK大河ドラマ『どうする家康』関連商品!
出帆
竹久夢二  本体:2600円(税別)
「画(か)くよ、画くよ。素晴しいものを」。大正ロマンの旗手が、その恋愛関係を赤裸々に綴った自伝的小説。評伝や研究の基礎資料にもなっている重要作を、夢二自身が手掛けた134枚の挿絵も完全収録して半世紀ぶりに復刻。ファン待望の一冊。解説:末國善己

■ 2022年6月刊行

徹夜の塊2 ユートピア文学論 増補改訂版
沼野充義  本体:4800円(税別)
ユートピアという夢に魅了され、アンチ・ユートピアという悪夢に呪縛され、陶酔と恐怖の狭間を揺れ動きながらも紡ぎ続けられるユートピア的想像力――。「いま・ここ」にないものを求め、思い描いてきた文学的想像力の本質に鋭く迫る、畢生のユートピア論。読売文学賞受賞の画期的名著の増補改訂版。
チェヴェングール
アンドレイ・プラトーノフ  工藤順・石井優貴訳  本体:4500円(税別)
愛と憂鬱の〈ユートピア〉。ロシア文学の肥沃な森に残された最後の傑作、本邦初訳。「革命後に生の意味を問いつづける孤高の魂。翻訳不可能」といわれた20世紀小説の最高峰のひとつが、〈ロシア的憂愁(タスカー)〉の霧の中からついに全貌を現した!」――沼野恭子

■ 2022年5月刊行

なぜ新型ウィルスが、次々と世界を襲うのか?
マリー=モニク・ロバン  杉村昌昭訳  本体:2700円(税別)
世界最先端の専門家62人が語る、その実態と発生メカニズム。なぜ“新型コロナ”が出現したのか? さらに今後、“新たなウィルス”が人類を襲うのか? 欧州で話題集中! パンデミックの起源は、森林と生物多様性の破壊だった!
産業の新世界
シャルル・フーリエ  福島知己訳  本体:7800円(税別)
《産業の進歩など大衆にとって能書きにすぎないということに、だれもが気づいている。〔……〕なぜなら、そこでは産業が、数人の寵児を富裕にさせるために、勤労大衆すべてを貧窮に陥れているからである。》初期資本主義の病巣を分析し、理想社会ファランジュの構築プランを描き出したフーリエの古典的名著。初版完訳版、ついに刊行! フーリエ、生誕250周年。
ニーチェ入門講義
仲正昌樹  本体:2200円(税別)
ニーチェがかけた呪いとの格闘の歴史こそが、現代思想そのものであった。「(権)力への意志」「アポロン的/ディオニュソス的」「真理(への意志)」「価値(の転倒)」「超人」「正午」「永劫回帰」「重力」……、その“何か根源的だけど、簡単には言い表せない”思想の深淵をじっくりと覗き、テクストを熟読玩味の上、徹底解説。きちんと学ぶための新たなる道標。下手によむと痛い目にあう「厨二病」の源泉/ポストモダンの原点を攻略。誤読を防ぎ、「使い方」を学び、その本当の“凄み”を析出する!
ル・クレジオ、文学と書物への愛を語る
ル・クレジオ  鈴木雅生訳  本体:2600円(税別)
未だ見知らぬ国々を、人の心を旅するための道具としての文学。強きものに抗い、弱きものに寄り添うための武器としての書物。世界の古典/現代文学に通暁し、人間の営為を凝縮した書物をこよなく愛するノーベル文学賞作家が、その魅力を余さず語る、愛書家必読の一冊。本書の内容をより深く理解するための別冊「人名小事典」附。
加賀乙彦長編小説全集 第四巻 宣告 上
加賀乙彦  本体:3800円(税別)
「不吉な予感がする。今朝こそ、自分の番だという気がする」犯した罪の重さに煩悶しながら、神への信仰へ向かう死刑囚と若き精神科医との精神の交流を描く、畢生の代表作! 日本文学大賞受賞。
加賀乙彦長編小説全集 第五巻 宣告 下
加賀乙彦  本体:3800円(税別)
「さて、恵津子君、悲しいお知らせですが、いよいよお別れの時が来ました。明日がその日だと、けさ、教えられ、なにかとせわしない一日を過しました」執行の日を迎える死刑囚の内面を余すところなく描く、畢生の代表作! 日本文学大賞受賞。
中有の森
江場秀志  本体:1800円(税別)
幻と現、生と死のパレイドリア――万物の〈あいだ〉に揺れる人間の意識を描いた、精神科医による書き下ろし小説。田舎の古い精神科専門病院に赴任した若手精神科医の鴇枝啓祐は、同じ病院に勤務する医長の杜臣慧から「声に邪魔されて眠れない」という相談を受け、薬の処方を頼まれる。途切れることのない頭の中の雑音と、自分を呼ぶ何者かの声に悩まされる杜臣。やがて病院では、夜中になると図書室や遊歩道で独りごちる杜臣の噂が立つ……。

■ 2022年4月刊行

陰謀論入門
ジョゼフ・E・ユージンスキ  北村京子訳  本体:2400円(税別)
さまざまな「陰謀」説がネットやニュースで氾濫するなか、個別の真偽を問うのではなく、そもそも「陰謀論」とは何なのか、なぜ問題となるのか、どんな人が信じやすいのかを解明するため、最新の研究、データを用いて、適切な概念定義と分析手法を紹介し、私たちが「陰謀論」といかに向き合うべきかを明らかにする。アメリカで近年、政治学、心理学、社会学、哲学などの多分野を横断し、急速に発展する分野の第一人者による最良の入門書。
徹夜の塊1 亡命文学論 増補改訂版
沼野充義  本体:4800円(税別)
冷戦時代ははるかな過去になり、世界の多極化が昂進するする現在にあって、改めて「亡命」という言葉を通して人間の存在様式の原型をあぶりだす、独創的な世界文学論。サントリー学芸賞受賞の画期的名著の増補改訂版。
〈知〉の取扱説明書
仲正昌樹  本体:1800円(税別)
“知にはたらけば、役に立ち、痴に棹をさせば、そのまま流される。”タメになる「知」/ダメになる「痴」の見破り方、著者初公開! 教養の本質/語学の具体的な学習法/意外なWikipediaの使い方/独学の仕方/身体を使った勉強法などなど、“学び”を確実に身につけるためのテクニックを伝授。
ノマと愉快な仲間たち 玄徳童話集
玄徳  鄭玄雄画  新倉明子訳  本体:1800円(税別)
1930年代、ソウル近郊の村。少年ノマと、その友だちトルトリ、ヨンイ、そしてキドンイが繰り広げる日常の物語。貧しくも、心豊かな子ども時代。どこか懐かしい気持ちになる、大人のための童話集。序文:牧瀬暁子

■ 2022年3月刊行

改訂第二版〈学問〉の取扱説明書
仲正昌樹  本体:2200円(税別)
新型コロナ、人新世、経済政策、新〇〇論、サヨク/ウヨクなどなど時事用語の誤用・思い込みを指摘し、さらに哲学・思想、政治学、経済学、社会学、法学etc.の基礎とキモを丁寧に伝授。きちんと学びたい、何より、これから勉強をする/し直すための絶対的マニュアル。「学び」の最低限の敷居を示したロングセラー、新たなバージョンにて登場!
新装版 法哲学講義
G・W・F・ヘーゲル  長谷川宏訳  本体:7800円(税別)
〈理性的なものは現実的であり、現実的なものは理性的である。〉自由な精神を前提とする近代市民社会において、何が正義で、何が善であるか。同時代世界の根源的な認識を通してマルクス登場を促すヘーゲル国家論の精髄。『法哲学要綱』を自ら解説する円熟のベルリン大学最終講義。
李氏朝鮮最後の王李垠 第三巻
李建志  本体:3600円(税別)
“李王家の縁談”は、最初から“純愛”だった。梨本宮方子の日記など第一次史料をもとに、波瀾の日韓の歴史の狭間を懸命に生きる、知られざる二人の愛の真の姿を、初めて明らかにする。

■ 2022年2月刊行

失われた時、盗まれた国
増田幸弘  本体:2400円(税別)
バブル、金融自由化、ITバブル、そしてグローバル経済へ――。ウラ側から見た“日本金融史”。激動の金融業界の舞台裏では何が行われていたのか? FX会社(外為どっとコム)の創設メンバーが、初めて真実を語る!
〈古事記〉講義
子安宣邦  本体:2200円(税別)
“いま、古事記を読む。これは、もうすぐれて現代日本をめぐる問題なのだ。”日本思想史の第一人者による画期的読解。
ビトナ ソウルの空の下で
J・M・G・ル・クレジオ  中地義和訳  本体:2200円(税別)
田舎町に魚売りの娘として生まれ、ソウルにわび住まいする大学生ビトナは、病を得て外出もままならない裕福な女性に、自らが作り出したいくつもの物語を語り聞かせる役目を得る。少女の物語は、そして二人の関係は、どこに辿り着くのか――。ノーベル文学賞作家が描く人間の生。
都筑道夫創訳ミステリ集成
ジョン・P・マーカンド、カロリン・キーン、エドガー・ライス・バローズ原作  小松崎茂、武部本一郎、司修挿絵  本体:5600円(税別)
いまふたたび熱い注目を集める作家・都筑道夫が手がけた、翻訳にして創作“創訳”ミステリ小説3作品を一挙復刻!
台湾文学ブックカフェ3 短篇小説集 プールサイド
陳思宏、鍾旻瑞、陳柏言、黄麗群、李桐豪、方清純、陳淑瑤、呉明益、ワリス・ノカン、川貝母、甘耀明  三須祐介訳  呉佩珍、白水紀子、山口守編  本体:2400円(税別)
来るべき、台湾文学。豊かな田園風景、碧い海と空、大きな太陽、賑やかな屋台――。台湾の生活シーンを多様に描いた、近年の佳作十一作を収録する作品集。
グローバル世界の日本農業
小林寛史  本体:2400円(税別)
地球温暖化、食料自給、地方再生……そして、すすむグローバル化のなかで、「輸入品におされて立ち行かない」農業からどう脱するのか? 世界農業の大変革期の荒波に、日本はどう立ち向かうべきか? 地球の未来はどうなるのか? 対策を提言。

■ 2022年1月刊行

加賀乙彦全長編小説 第三巻 帰らざる夏
加賀乙彦  本体:3800円(税別)
昭和二十年の夏、敗戦によっていきなり奈落の底へ突き落された陸軍幼年学校の少年兵たち――その懊悩と混乱の中で引き起こされる精神のドラマを鮮烈に描いた問題作! 谷崎潤一郎賞受賞。
台湾文学ブックカフェ2 中篇小説集 バナナの木殺し
邱常?、王定国、周芬伶  池上貞子訳  呉佩珍、白水紀子、山口守編  本体:2400円(税別)
原色の、台湾文学。「ほんとうの悲劇にはいつも滑稽な要素があるのよね」大学生の主人公は、乗っていた車に自分からぶつかり飛ばされた謎の少女・品琴に興味をひかれ、調べていくうちに、バナナ畑のなかで暮らす彼女の家族とある宗教団体の関係を突き止める……。新世代作家の期待の星による、家族の秘密をめぐる怪奇的で幻想的な表題作のほか、中篇全三篇を収録する小説集。
張赫宙日本語文学選集
南富鎭・白川豊編  本体:3600円(税別)
“忘れられた”世界的作家の珠玉文学選。張赫宙は、かつては、魯迅と相並ぶ、アジアを代表する作家と称された。しかし、植民地期朝鮮の作家として日本語で活躍したため、張の文学は戦後社会に帰属先を失い、長い間、漂流してきた。現在、多文化、多言語における「近代」の急速な見直しが進められるなか、「世界文学」としてその作品は再び注目されはじめている。本書は、代表作「仁王洞時代」をはじめ、文学的な価値が高いものを中心に珠玉の短編を編む。

■ 2021年12月刊行

攻殻機動隊論
藤田直哉  本体:2700円(税別)
金字塔を徹底解剖。サイバーテロ、AI、フェイクニュース、SNS、仮想空間(メタヴァース)、ポスト・ヒューマン…、30年前に予言し、未来を創造し続けるSF。イーロン・マスクに影響を与え、ハリウッドを触発し、現実を進化させた、Seriesの作品世界を徹底解剖。その内在する力と日本文化の根本をえぐる、著者構想10年、畢生の書。
極東ナチス人物列伝
田嶋信雄・田野大輔編  本体:2700円(税別)
時代を左右したにもかかわらず、本国にいられなかった“怪しすぎる”面々。防共協定締結の立役者であり終戦工作にも携わったフリードリヒ・ハック、蒋介石に協力したハンス・クライン、「満洲国」のアヘンに関わったヘルムート・ヴォールタート、ゾルゲ事件の渦中にいたヨーゼフ・マイジンガー等々、「第三帝国」と東アジアのはざまで浮かび上がる奇天烈な人物たち。彼らから矛盾と対立に満ちた国際関係と歴史の実相が見えてくる。『独ソ戦』(岩波新書)大木毅氏ら、気鋭の強力執筆陣が描く、第二次大戦秘史。
ソ連を崩壊させた男、エリツィン
下斗米伸夫  本体:2600円(税別)
ソ連崩壊/ロシア連邦誕生30周年。この男がいなければ、世界史的転換は起きなかった。新たな歴史史料・当事者の回想をもとに、20世紀最大の激動史の真相を描く。
台湾文学ブックカフェ1 女性作家集 蝶のしるし
江鵝、章?、ラムル・パカウヤン、盧慧心、平路、柯裕?、張亦絢、陳雪  白水紀子訳  呉佩珍、白水紀子、山口守編  本体:2400円(税別)
複数形の、台湾文学。恋愛結婚と出産を経て、幸せな家庭を手にしたはずの主人公が、「よき娘」「よき妻」を演じてきた人形のような過去に別れを告げ、同性への愛に生きる決心をする……その後の台湾レズビアン文学に大きな影響を与えた表題作「蝶のしるし」のほか、女性作家の小説全八篇を収録。
ゆっくりの美学
西堂行人  本体:2800円(税別)
初の〈太田省吾〉論! 沈黙劇 と呼ばれる独自の舞台を生み出し、今も、世界で高く評価される太田演劇。その劇宇宙の全貌を、初めて論ずる。生前の本人との対談も収録。

■ 2021年11月刊行

新型コロナ〈感染ゼロ〉戦略、ニュージーランド
千種キムラ・スティーブン  本体:1400円(税別)
なぜニュージーランドは長期の〈国内感染ゼロ〉を達成できたのか? 本書ではそれを可能にしたアーダーン首相による科学的で迅速な対応とリーダーシップ、広範囲な経済支援を紹介。詳細な現地報告。迷走する日本との決定的な違いは何か?
ビデオランド
ダニエル・ハーバート  生井英考、丸山雄生、渡部宏樹訳  本体:3400円(税別)
銀幕を包んだ闇を抜け出し、映画の新たな「配給網」となったレンタルビデオ店。その創世から終幕、そして「配信」の現在へとつづくアメリカ映画のもうひとつの歴史。
社会のなかの「少年院」
少年の社会復帰に関する研究会編  本体:2700円(税別)
「非行少年に甘い」、「だから少年非行が減らない」は本当なのか?〈バイパス教育〉の実態を詳細に明らかにし、子どもたちのための未来に向けて提言。少年院に送致された非行少年は「バイパス教育」としての矯正教育を経て必ず社会に戻ってくる。実際に行われている社会復帰支援をはじめとする取り組みに焦点を当て、幅広い観点から社会と当事者たちへの教育や支援の今後について詳細に問題提起を行う。
カリブ海アンティル諸島の民話と伝説
テレーズ・ジョルジェル  松井裕史訳  本体:2600円(税別)
ヨーロッパから来た入植者たち、アフリカから来た奴隷たちの物語と、カリブ族の物語が混ざりあって生まれたお話の数々。1957年の刊行以来、半世紀以上フランス語圏で広く読み継がれる民話集。人間たち、動物たち、そして神様や悪魔たちの胸躍る物語、全34話。【挿絵62点収録】
加賀乙彦全長編小説 第二巻 荒地を旅する者たち
加賀乙彦  本体:3800円(税別)
深い孤独に絡みつかれながら、荒漠たる異国の地を彷徨するパリの日本人たち。いくつもの狂気に取り巻かれ精神の牢獄に囚われた男女が、幾重ものドラマを織りなしていく──『フランドルの冬』に続く、第二長篇。

■ 2021年10月刊行

ノスタルジア
ミルチャ・カルタレスク  住谷春也訳  高野史緒解説  本体:3000円(税別)
最初の一編から、恐ろしいほどの描写力が読者を襲う。これがカルタレスクなのだ。ゆっくりと締め上げて行くように緊張感の高まってゆく物語は、しかし、おおかたの予想とは違ったところに着地する。そう、それがカルタレスクだ。この本と出会った私たちは幸運なのである。──高野史氏Bノーベル文学賞の呼び声高い現代ルーマニア文学の旗手が放つ、ポストモダン文学の極致!
アクティブ・メジャーズ
トマス・リッド  松浦俊輔訳  本体:4500円(税別)
私たちは、偽情報の時代に生きている――。ポスト・トゥルース前史となる情報戦争の100年を描出する歴史ドキュメント。解説=小谷賢(日本大学危機管理学部教授)
つげ義春 「無能の人」考
正津勉  本体:2200円(税別)
最底辺からの視線――。エロティックなファンタジー、赤貧と気鬱の中のユーモア!
デンデケ・アンコール
芦原すなお  本体:2700円(税別)
直木賞受賞から30年。「これから先の人生で、どんなことがあるのか知らないけれど、いとしい歌の数々よ、どうぞぼくを守りたまえ!」ロック少年たちの様々な人生!
新装 私家版 青春デンデケデケデケ
芦原すなお  本体:2700円(税別)
直木賞受賞! 永遠の青春小説! 完全オリジナル版! ベンチャーズの衝撃で世界が変わった。四国の田舎町の高校生たちが繰り広げるロックと友情、淡い恋と笑いに満ちた永遠の青春・音楽小説。受賞作の2倍=800枚を完全収録!

■ 2021年9月刊行

尼将軍
三田誠広  本体:2000円(税別)
書き下ろし長篇歴史小説。2022年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を差配した影の主役、北条政子! 北条時政の長女であって宗時、義時の姉。源頼朝の正妻にして頼家・実朝の母。頼朝没後は尼将軍として鎌倉幕府を実質差配。幕府守護のためには実子も見捨て、承久の変では三上皇を隠岐などに配流した鋼鉄の女帝。
小説集 北条義時
海音寺潮五郎、高橋直樹、岡本綺堂、近松秋江、永井路子  三田誠広解説  本体:1800円(税別)
承久の乱に勝利し、治天の君と称された後鳥羽院らを流罪とした「逆臣」でありながら、たった一枚の肖像画さえ存在しない「顔のない権力者」。謎に包まれた鎌倉幕府二代執権の姿と彼の生きた動乱の時代を、超豪華作家陣が描き出す。
ユドルフォ城の怪奇 上
アン・ラドクリフ  三馬志伸訳  本体:3600円(税別)
愛する両親を喪い、悲しみに暮れる乙女エミリーは、叔母の夫である尊大な男モントーニの手に落ちて、イタリア山中の不気味な古城に幽閉されてしまう――。刊行から二二七年を経て、今なお世界中で読み継がれるゴシック小説の源流。イギリス文学史上に不朽の名作として屹立する異形の超大作、待望の本邦初訳!
ユドルフォ城の怪奇 下
アン・ラドクリフ  三馬志伸訳  本体:3600円(税別)
悪漢の魔の手を逃れ、故国フランスに辿り着いたエミリーは、かつて結婚を誓ったヴァランクールと痛切な再会を果たす。彼が犯した罪とはなにか――。刊行から二二七年を経て、今なお世界中で読み継がれるゴシック小説の源流。イギリス文学史上に不朽の名作として屹立する異形の超大作、待望の本邦初訳!
骨を引き上げろ
ジェスミン・ウォード  石川由美子訳  本体:2600円(税別)
全米図書賞受賞作! 子を宿した15歳の少女エシュと、南部の過酷な社会環境に立ち向かうその家族たち、仲間たち。そして彼らの運命を一変させる、あの巨大ハリケーンの襲来。フォークナーの再来との呼び声も高い、現代アメリカ文学最重要の作家による神話のごとき傑作。