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吉本隆明の時代

【内容】
それは果たして、どのような「勝利」だったのか?――六〇年安保以後、あるいは現在においてもなお、日本の「知識人」の代表的存在と見なされ「戦後最大の思想家」とさえ評される吉本隆明は、どのようにそのヘゲモニーを確立していったのか。批評家としてデビューした1950年代から60年代にかけて彼が行なった論争と時代背景の精緻な分析をとおして解明する。「知の巨人」の実像に迫る、入魂の書き下ろし長篇評論!
 しかし問題は、サルトルのかつて持っていたヘゲモニーを今さら奪冠することではないだろう。客観的な「敗北」にもかかわらず、やはり、サルトルの覇権は、その時代において必然であり不可避だったのである。そして、同様のことが吉本隆明にも言えないだろうか。本書は吉本がヘゲモニーを確立する過程の正当性を疑問に付すことになろう。しかし、それは決して、ヘゲモニーを事後的に奪冠しようとするものではない。本書は、吉本隆明がどのようにして「普遍的」知識人となっていったかという、その軌跡を同時代の他の「知識人」との交渉のなかで検証する。そして同時に、それがいかに「普遍的」とは言いがたいものであるかをも見ることになろう。しかし繰り返すが、サルトル的あるいは吉本隆明的な知識人は、いまだ「終焉」していないのである。(「序章」より)

【内容目次】
序章 「普遍的」知識人の誕生
   ――ジッドからサルトルへ/小林秀雄から吉本隆明へ
第一章 一九五〇年代のヘゲモニー闘争
   ――「文学者の戦争責任」と花田清輝
第二章 ドレフュス事件としての六〇年安保
   ――共産主義者同盟と武井昭夫
第三章 六〇年安保後の知識人界
   ――黒田寛一と「真の」前衛党
第四章 市民社会と大学
   ――丸山真男と六〇年代
終章 「六八年」へ
   ――再びサルトル、そして岩田弘/廣松渉/津村喬
関連年表/人名索引/あとがき

【著者紹介】
絓秀実(すが・ひでみ)文芸評論家・近畿大学国際人文科学研究所教授。1949年新潟県生まれ。学習院大学中退。「日本読書新聞」編集長、日本ジャーナリスト専門学校専任講師などを経て、2002年より現職。著書に、『1968年』(ちくま新書)、革命的な、あまりに革命的なJUNKの逆襲』(以上作品社)、『「帝国」の文学』(以文社)などが、共著書に脱原発「異論」』(作品社)などが、編書に『ネオリベ化する公共圏』(明石書店)、思想読本(11)1968』(作品社)などがある。