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サイバー覇権戦争

【内容】
第二次トランプ政権、ジェイコブ・ヘルバーグ国務次官(指名)が描き出す、新たな覇権の見取り図。
●いま求められるシリコンバレーとワシントンの協働
●日本人も知るべき、サイバー世界の2つの戦いとは?
新政権のアメリカ外交の今後を占う上で、必読の一冊!

サイバーセキュリティの専門家として2020年までグーグル社で対偽情報・外国介入のポリシー策定を主導し、2025年発足のトランプ政権の国務次官に指名された著者が呼びかける、新たな「テクノロジー冷戦」への警告。自由と民主主義を防衛すべく、ソフトとハード両面で戦われる、サイバー、経済安保の超・最前線!

★「私がこの本を書いたのは、シリコンバレーから見て、中国が世界の覇権を握るための前例なきテクノロジー闘争に挑んでいることが明白となったからです。」――著者公式「X」ポストより

新たな戦争=「グレー戦争」の主戦場であるサイバー空間での戦いを、「フロントエンド」=ソフトウェア(ニュース・SNS・アプリなど)と、「バックエンド」=ハードウェア(コンピュータ・タブレット・スマホ・光ファイバー・衛星など)の二つの戦線に整理。最新技術を用いて、世界の勢力圏の再編成を試みるテクノロジー権威主義国の攻撃の実態を明らかにし、加熱するグレー戦争に民主主義国はいかに対処するべきか、第二次トランプ政権、国務次官(経済成長、エネルギー、環境問題担当)指名の著者が処方箋を提示する。


【内容目次】
 プロローグ
 序章 帝国の中心で――セーヌ川の小さな谷
●ザ・クレイジー・ワンズ
●ラスト・デイズ・オブ・イノセンス

 第1章 グレー戦争の起源
●ARPANETでイノベーションを起こす
●1989年の反響
●天安門広場とファイアウォール
●男がマッチ棒になる
●ゲラシモフ、民軍融合を果たす
●21世紀のウォーターゲート事件

 第2章 ソフトウェア戦争 端末画面のフロントエンドをめぐる戦い――“最も重要な6インチ”
●トランスレーター・プロジェクト
●「ロシア人に何のメリットがあるのか?」
●「外国からの介入は詐称である」というポリシー
●大騒ぎになる
●?はどのように浄化されるのか
●汚染
●デジタル・マジノ線を越えて
●二歩進んで、一歩下がる

 第3章 ハードウェア戦争 デバイスのバックエンドをめぐる戦い
●世界の頂点に立つために
●ある電子メールのオディッセイ
●カリフォルニアで設計され、中国で組み立てられる
●ギガバイトと金海苔
●ルールの書き換え
●5Gの未来

 第4章 国家主権の未来は技術に宿る、軍隊ではない
●オートメーションのオートメーション化
●「もっと疑問を抱こう」
●偽装言語
●「すべてをコントロールする」
●サウロンの監視のもとで
●シリコンのカーテン

 第5章 丘と谷
●テックラッシュ
●海兵隊は奉仕し、CEOは立ち去る
●戦争ビジネス
●「ジェイコブ、私、知っているかも」
●「1社2制度」

 第6章 グレー戦争に勝利する
●耳を掩いて鐘を盗む
●民主主義のデジタル防衛の能力向上と制度化
民主主義のデジタル防衛を国家安全保障の中核に据えることを宣言する/政府の技術力を高める
●技術貿易政策の構築と欧米テクノ・ブロックの強化
国際制度の近代化/中国共産党との貿易――安全保障の必須事項であり、経済的機会でもある技術上のデカップリングを受け入れる/グローバル・ネットワーク戦略を確立し、中国の「サウロンの目」を脱グローバル化する/技術を外国援助として提供する
●権威主義的敵対者の世界的な野心の抑止・混乱・劣化
砂に線を引く/自由なインターネットを守るためのサイバー制裁の実行と制度化/敵に戦いを挑む――敵の能力を低下させ、野心を抑止する/私たち自身を強靱なターゲットにする

 第7章 スプートニク・モメント
●アメリカの競争力に投資する
政府の再編成/自由世界の再工業化/イノベーションへの投資/チーム・アメリカン/世界のベスト&ブライテストの人材を歓迎するサインを出す
●テック企業の役割を刷新する
「丘」と「谷」の連携強化/産業界主導のイノベーションと実験の奨励/大きいことは必ずしも悪いことではない
●デジタル・シティズンシップの強化
見分ける力を身につける/超党派バブルからの脱却

エピローグ
謝辞
原注
訳者あとがき


【著訳者略歴】
ジェイコブ・ヘルバーグ(Jacob Helberg)
パランティア・テクノロジーズ社CEO上級政策顧問。米中経済安全保障調査委員会(USCC)の委員や新アメリカ安全保障センター(CNAS)のテクロノジー・国家安全保障プログラムのシニアフェローも務める。2016年から2020年までグーグル社にて対偽情報・外国政府介入のための製品ポリシー策定に従事。ジョージ・ワシントン大学で国際問題の学位を取得後、ニューヨーク大学でサイバーセキュリティの修士号を取得。2024年12月、翌年発足の第二次トランプ政権の国務次官(経済成長、エネルギー、環境問題担当)に指名された。

川村幸城(かわむら・こうき)
防衛省防衛研究所(政策研究部・グローバル安全保障研究室)主任研究官(1等陸佐)。防衛大学校総合安全保障研究科後期課程を修了し、博士号(安全保障学)を取得。主な訳書にデイヴィス『陰の戦争――アメリカ・ロシア・中国のサイバー戦略』、サレンダー『検証 空母戦――日米英海軍の空母運用構想の発展と戦闘記録』(以上、中央公論新社)、デルモンテ『AI、兵器、戦争の未来』(東洋経済新報社)、ジョンソン『ヒトは軍用AIを使いこなせるか――新たな米中覇権戦争』(並木書房)、ジャスパー『ロシア・サイバー侵略――その傾向と対策』(作品社)がある。