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かくして、死刑は執行停止される

【内容】
死刑廃止に身を捧げてきた著者がしたためる信念の書。

死刑廃止について、「学者」に止まらず「活動家」としても先駆的にその人生をかけて取り組んだ菊田幸一先生が渾身の力を込めて学術的でかつ歴史を語った「遺言書」である。(平岡秀夫/元法相/弁護士)

本書、ある意味では“身勝手な”遺言書である。但し個人としては、著者の生存中に、死刑モラトリアムは実現すると信じている。が、すでに卒寿を過ぎた老輩としては、仮に明日にもあの世に旅立っても不思議ではない。
著者は、国家が殺人者を法の名のもとに殺すことは絶対にあってはならないと半世紀もの長期にわたり著書や論文で、あるいは講演で訴えてきた。本書は、その軌跡を振りかえり、もって後世の糧とするものである。


【内容目次】 序文
第一章 『新社会防衛論』を基軸とするモラトリアムの提唱
 アンセルの『新社会防衛論』との出会い
 アドルフ・プリンスの「社会防衛と刑法の変遷」
 日本では受け容れられなかった新社会防衛論
 国連死刑廃止条約と新社会防衛論

第二章 死刑廃止論者の思想形成とその運動
 犯罪学及び死刑廃止に出会うまで
 フランスにおける死刑廃止の実現
 民間死刑廃止グループの発足に奔走
 死刑廃止が見えてきた頃
 三年四カ月ぶりの死刑執行
 浜四津敏子の終身刑論

第三章 ふたたび国際的な視点から
 第一回死刑廃止国際会議前後
 第二回国際死刑廃止会議を提唱する
 第二回アジア死刑廃止会議
 韓国の死刑廃止法案

第四章 死刑廃止を政治日程に上げる
 議員連盟の死刑廃止法案
 廃止法案にどう向かい合うか
 朝日新聞における論戦
 終身刑導入をめぐって――運動方針か理論闘争か
 フォーラム・シンポジウムでの議論
 死刑廃止法案をめぐる動き

第五章 行刑改革会議と死刑廃止議連
 行刑改革会議に参加
 森山眞弓法務大臣への手紙
 恩赦発言についての波紋
 もたつく議連の死刑廃止法案国会提出

第六章 すべてが暗転した
 森山法相が死刑を執行
 アンケートを実施する
 後藤田正晴氏と会う

第七章 弁護士として運動に参画する
 弁護士登録
 江田五月氏が法相に
 韓国への視察旅行
 谷垣氏の法務大臣就任
 袴田巌さん 再審開始決定
 死刑囚の情報収集を実施する
 公明党との折衝
 死刑のない東京五輪へ

第八章 福井大会「宣言」を検証する
 福井大会の「宣言」
 死刑廃止とその代替案
 「人は変わり得る」は死刑囚になじむのか
 国民世論は終身刑に反応している
 「終身刑は国際基準に違反する」について

第九章 日弁連死刑廃止委員会に期待できるか
 モラトリアム(死刑執行停止)の実現を目指すべきだ
 停滞した日弁連の議論

第十章 もっと国民的な議論を
 「死刑をなくそう市民会議」設立の意義
 死刑廃止実現連絡協議会(仮称)の発足
 「市民会議」三百五十人の参加で設立総会
 キング牧師のように