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日本人の死生観 第二巻
霊性の個人史

【内容】
ステージ4のがん患者として如何に死と向き合うか。
宗教哲学、神道神学の碩学が古今の死生観を
渉猟しつつ大らかな死に方=生き方を提起。

わがいきの
いのちのといきどこにふく
いのちはてても
よはおわりなし(東二)

 現在の私の癌の病状は次第に悪化し、脳への多発性転移がfMRIの撮像で認められ、おそらく脳への放射線治療としては最後の手段となる全脳放射線照射を京都大学附属病院で行なうことになった。
 それとともに、いよいよ「死に臨む態度」に臨床感・臨場感・臨終感が高まってきた。最後の最期をどう迎えることになるか、それはわからないが、最後の最後までやりたいことをつづけて、「ありがとう」と言ってから死にたい。(「あとがき」より)


【内容目次】
序章 極私的随想
春の夜明け/夏の行方/秋の気配/冬ざれの島/祟り/冬の星座
第一章 死に臨む
1 ステージ4のがんになって「死を光源として即身を生きる」
ステージ4のがん患者になったがゆえに、「ガン遊詩人」になれた/「死を光源として生きる」とは、どのようなことか?/死は光である
2 ニーチェの「病者の光学」
即身で生きる
3 死に臨む三つの態度
4 選ばず、与えられたものを活かす
5 死ぬ力――死ぬにも力が要る
6 覚悟(知恵)とワザ(作法)

第二章 死と死後について――宣長と篤胤の死生観
1 本居宣長は「安心なきが安心」という死生観――死後のことなどどうでもよい、うっちゃっておけ!
2 平田篤胤は「死後の魂の行方の探究なしに『大倭心』の安定(しずまり)はない」、死後世界(幽冥界)の探究が絶対必要だという死生観
3 平田篤胤の『古道大元顕幽分属図』から、セルフケアと日本神話の死生観を考える
4 死後世界は存在するのか?

第三章 「複雑性悲嘆」と「複雑性感謝」ということ
1 複雑性悲嘆という悲嘆のかたちと複雑性災難
2 回復するという物語と回復を超えて生きる/死ぬ物語
3 スピリチュアルケアと芸術
4 キューブラー=ロスの死の受容の五段階説
5 『死ぬ瞬間』におけるタゴールの詩
 (1)死の恐怖について
 (2)死とその過程に対するさまざまな姿勢
 (3)第一段階/否認と孤立
 (4)第二段階/怒り
 (5)第三段階/取り引き
 (6)第四段階/抑鬱
 (7)第五段階/受容
 (8)希望
 (9)患者の家族
 (10)末期患者へのインタビュー
 (11)死とその過程に関するセミナーへの反応
 (12)末期患者の精神療法

第四章 「グリーフ」と「ウソつく心」
1 グリーフ
2 平田篤胤のグリーフ
3 遠藤周作のグリーフ
補記 遠藤周作著『死について考える』を読んで

第五章 うたのちから――ピュタゴラス教団の合唱と『古事記』『平家物語』と「ガン遊詩人・神道ソングライター」のうた
1 ピュタゴラス教団の合唱と魂の浄化
2 『古事記』は「歌物語」であり、歌う鎮魂叙事詩であった
3 『平家物語』も歌い語る鎮魂供養の叙事詩であった
4 「神道ソングライター」から「吟遊詩人」を経て「ガン遊詩人」へ
東京自由大学設立趣旨(一九九八・一一・二五)/「京都面白大学綱要」/教学・学部構成/「京都面白大学校歌」

第六章 「同行二人」で逝きましょう!――「おひとりさま」では死ねません
1 人間は生まれてくる時も死ぬ時も「おひとりさま」ではない
2 わが幼少期の病気の祖父母との三人生活で感じ、学んだこと
3 念仏結社「二十五三昧会」とクリュニー修道院の死の作法に学ぶ――現代版オンライン二十五三昧会とミュージック・サナトロジー――里村生英著『ミュージック・サナトロジー――やわらかなスピリチュアルケア』をてがかりに
4 「往生力」(帯津良一)と「旅立つ心と力」
5 「手放す」ことと「巣立つ」こと――ゆだねるちから

あとがき――臨終に向かう過程で
補記 鎌田家人生会議覚書