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ル・クレジオ、文学と書物への愛を語る

【内容】
未だ見知らぬ国々を、人の心を旅するための道具としての文学。
強きものに抗い、弱きものに寄り添うための武器としての書物。
世界の古典/現代文学に通暁し、人間の営為を凝縮した書物を
こよなく愛するノーベル文学賞作家が、その魅力を余さず語る、
愛書家必読の一冊。
【本書の内容をより深く理解するための別冊「人名小事典」附】


 書物は私たちが持っているもののなかで、なによりも素晴らしく、そしてなによりも自由なものです。「書海」、と中国語では言いますが、読者はその大海を自らの喜びのために、そして自らの教養のために航海することができます。(…)書物のおかげで、世界を認識することはひとつの冒険となるのです。
 私たちが今日生きている世界は複雑で危険に満ちていますが、同時に驚きにあふれてもいます。(…)知の冒険に身を投じ、他者を知るために、書物は最良の道具です。それは誰でも容易に手に取ることができ、電気も必要とせず、移動も収納も簡単です。ポケットに入れて持ち運ぶこともできます。書物は忠実な友人です。欺くことはありませんし、宇宙の調和などというユートピアの夢に浸らせることもありません。書物によって私たちは、他者をその美点も欠点も含めて知ることができ、異なるさまざまな文化との交流が可能になるのです。(本書より)


【内容目次】
作家たちの都
書物と私たちの世界
文学の普遍性
書物――知の探索に乗り出す船
困難な時代における作家について
科学と文学の関係
現代における文学について
中国文学との出会い
文学とグローバル化
文学と人生
想像と記憶
自然、文学
文学のいま
夢見ること、冒険を探すこと
種蒔くこと
終わりに
訳註
訳者あとがき


【著訳者略歴】
J・M・G・ル・クレジオ(Jean-Marie Gustave Le Clezio)
1940年、南仏ニース生まれ。1963年のデビュー作『調書』でルノドー賞を受賞し、一躍時代の寵児となる。その後も話題作を次々と発表するかたわら、インディオの文化・神話研究など、文明の周縁に対する興味を深めていく。主な小説に、『大洪水』(1966)、『海を見たことがなかった少年』(1978)、『砂漠』(1980)、『黄金探索者』(1985)、『隔離の島』(1995)、『嵐』(2014)、『アルマ』(2017)、『ビトナ ソウルの空の下で』(2018)など、評論・エッセイに、『物質的恍惚』(1967)、『地上の見知らぬ少年』(1978)、『ロドリゲス島への旅』(1986)、『ル・クレジオ、映画を語る』(2007)などがある。2008年、ノーベル文学賞受賞。

鈴木雅生(すずき・まさお)
1971年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。パリ第四大学博士。現在、学習院大学文学部教授。専攻はフランス近現代文学。著書に、J.-M.G. Le Clezio : evolution spirituelle et litteraire. Par-delal ’Occident moderne (L’Harmattan)、『フランス文化事典』(共編著、丸善出版)など、訳書に、サン= テグジュペリ『戦う操縦士』(光文社古典新訳文庫)、J・M・G・ル・クレジオ『心は燃える』(作品社、共訳)、『地上の見知らぬ少年』(河出書房新社)、ベルナルダン・ド・サン= ピエール『ポールとヴィルジニー』(光文社古典新訳文庫)、ジェニフェール・ルシュール『三島由紀夫』(祥伝社新書)、レーモン・クノー『きびしい冬』(水声社)などがある。