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シャーウッド・アンダーソン論 他者関係を見つめつづけた作家

【内容】
アメリカ南部に伸びやかに生きる人びとの姿をモダニズム文学の技法を採りいれて静謐に描きだし、『ワインズバーグ・オハイオ』などの作品でウィリアム・フォークナー、アーネスト・ヘミングウェイ、レイモンド・カーヴァーらに影響を与えた、20世紀前半の米国文学を代表する作家の営為を精緻に検証する文学研究。
アンダーソンはモダニストのひとりとして様々な技法を模索してはいましたが、読者が興をさかすのは決してそこだけではありません。やはり、孤独に端を発した他者関係の様相がひたすらに描き出されていく作品そのもののありかたに魅せられてしまうのです。そこには普遍性を帯びた緩やかな流れが存在しています。彼の小説が私たちの心を惹きつける作品たりえているのは、そこから聞こえてくるやわらかなせせらぎゆえなのです。ノーベル文学賞を受賞したフォークナーもそのせせらぎに強く魅せられ耳をすまそうとした人間のひとりでした。若かりしころはアンダーソンに対して反発をしたこともありました。が、その彼をして「わたしの全作品の父親」と言わしめているのは、アンダーソン文学の水脈から聞こえてくるその静かな響きゆえなのです。(本書より)

【内容目次】
序論
第一章 関係性以前の関係 「うさぎの檻」における三組の男女
第二章 関係性の発生
第三章 関係性の乗り越え 詩作品における他者関係
結びにかえて
註/引用文献リスト/あとがき

【著者紹介】
白岩英樹(しらいわ ひでき)1976年、福島県郡山市生まれ。早稲田大学卒業。大阪芸術大学大学院博士課程修了。博士(芸術文化学)。現在、東京都市大学共通教育部外国語共通教育センター講師。訳書に、シャーウッド・アンダーソン『アンダーソン短編集』(近代文芸社、2001 年)、同『中西部アメリカの歌』(新生出版、2002年)がある。