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マチスのみかた

【内容】
〈いのくまさん〉が教えてくれる
〈マチス先生〉の芸術と生涯。

戦時下フランスに遊学し、「世界で一番すばらしい芸術家」に
直接教えを受けた洋画家による、評論/エッセイを集成。
最初期の油絵から晩年の切り絵まで、100点超の作品を収録!


 先生のアトリエにうかがったとき、先生が自分の絵をおろそかにせず、デッサンも引出しに入れて鍵をかけているのを見て私は感動した。作品を大切にすることは、自分を大切にし、自分を信頼していることにほかならないからだ。私は先生のアトリエに一歩入って、先生の一つとしてゆるがせにしない厳粛な歩みを感じとることができた。
 画業でこの修道的な歩みをされた先生のような画家は、千年を経ても、大袈裟にいえば一万年を経ても生まれないと思う。
 あのヴァンスでの先生の総合的な仕事は、先生の全生涯を経て、最後の炎を燃やした総決算であった。この仕事に先生のすべては集約されて、一人の人間のなし得る最大のものをみせられたのだと思う。(本書より)


【内容目次】
マチス
 マチスの絵/マチス先生を訪ねる/再びマチス先生を訪ねる/マチスの歩み/マチスのデッサン/マチスの色──油絵について
マチスとデッサン
マチス訪問記
デッサンとマチス
マチスの道
マチス覚書
 マチスと子供の世界/マチスと抽象形式/マチスと技法/マチスの素直さ/マチスとエレガンス
マチスの奇蹟
映画マチス
マチスとフォーヴィズムの作家たち
マチスを想う
マチス先生の死
マチス先生の思い出


【著者略歴】
猪熊弦一郎(いのくま・げんいちろう)
1902(明治35)年、高松市生まれ。1921(大正10)年、旧制丸亀中学校(現丸亀高校)を卒業、上京し東京美術学校(現東京藝術大学)で藤島武二に師事。昭和初期、帝展を舞台に活躍し、第10回、第14回帝展で特選となる。1936(昭和11)年、小磯良平らと新制作派協会を結成。1938年、フランスへ渡り、アンリ・マティスに指導を受ける。1955年、ニューヨークにアトリエを構え以来20年間滞在。ニューヨークでの個展をはじめ内外の美術展への出品など多数。1964年、国立近代美術館賞を受賞。1975年、ハワイにアトリエを移し、以後多数の作品を制作。その間、株式会社三越の包装紙「花ひらく」のデザインや、1948年から40年間にわたる「小説新潮」の表紙絵の制作など幅広い分野において活躍する。1991(平成3)年、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館開館。1993年、第34回毎日芸術賞受賞。同年5月17日、90歳で逝去。