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イエスという男 第二版[増補改訂版]

【内容】
イエスはキリスト教の先駆者ではない。歴史の先駆者である。
歴史の本質を担った逆説的反逆者の生と死!

イエスという男がどこから来たのか、我々は知らない。「ナザレのイエス」と呼びならわされていたから、ガリラヤ地方の村ナザレの出身だったのは確かだろう。(…)しかし、ある日イエスは決断してナザレの村を出て、あのような活動をはじめた、というのではない。いつ、どのようにして出てきたのか、気がついてみたら、イエスという男はああいう活動をやっていた、ということだろう。(…)だいたい、あれだけの活動が、一つ二つの決心やきっかけでできるものではない。それはイエスという男の生の帰結であり、出発であり、内容であった。――「第一章 逆説的反抗者の生と死」より


【内容目次】
第一章 逆説的反抗者の生と死
 一 歴史の先駆者
 二 イエスの出生
 三 それならお前はどう祈る?
 四 イエス叙述の方法
 五 イエスは愛の説教者ではない
 六 「十戒」批判
 七 逆説的反抗
 八 貧しい者は本当に幸いか?

第二章 イエスの歴史的場
 一 ヘロデ家とローマ風
 二 ソロモンの栄華
 三 宗教史的背景?
 四 イエスと熱心党
 五 帝国の税金と神殿税(カイサルのものと神のもの)

第三章 イエスの批判――ローマ帝国と政治的支配者
 一 イエスの相手
 二 災害としてのローマ支配
 三 右の頬をなぐられたら
 四 諸国民の支配者
 五 奴隷について
 六 社会関係と神観念

第四章 イエスの批判――ユダヤ教支配体制にむけて
 一 預言者の墓を建てる者
 二 イエスと旧約律法
 三 律法学者批判
 四 「汚れ」と「清め」――パリサイ派の生活支配
 五 「安息日」批判
 六 神殿貴族の権力

第五章 イエスの批判――社会的経済的構造に対して
 一 日雇労働者の賃金もしくは社会的平等
 二 大土地所有、農業労働者、「失業」
 三 分水嶺の両側――地主の慈善、神の前の平等
 四 農民一揆――隠喩的語り口の限界
 五 資本の増殖と能力崇拝
 六 小作人の借金を棒引きにせよ
 七 富に対する直感的な反発

第六章 宗教的熱狂と宗教批判の相克
 一 イエスにおける宗教的熱狂の自己相克
 二 神の国――ユダヤ教の発想
 三 神の国――洗礼者ヨハネの極限
 四 「罪の赦し」を祈りたければ……
 五 イエスと洗礼者ヨハネ
 六 ヨハネの死
 七 倫理観念の異様な拡大?――「姦淫」の女
 八 イエスのまわりの女たち
 九 「神の国」の逆説的批判
 十 宗教的熱狂――病気治癒へののめりこみ
 十一 植民地支配下の奇跡信仰
 十二 イエスの熱狂――異常が日常に浸透しはじめる
 十三 「人の子」――終末論的確信
 十四 「人の子」――一人の人間の確信と絶望
 十五 イエス受難物語
 十六 十字架の死の苦痛

あとがき/ 索引
ヘロデ家の家系(表)
イエス時代のパレスチナ(地図)