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ドメスティック・バイオレンスと家族の病理

【内容】
現在、日本でも「幼児虐待」と並んで、夫(または恋人)から女性が暴力を振るわれる「ドメスティック・バイオレンス」(通称/DV。夫婦間暴力の意味)が大きな社会問題として注目されています。
本書は日本中を飛びまわるDV研究の第一人者による決定版です。なぜ夫は妻を殴るのか?そして、なぜ殴られても逃げない妻が多いのか?家族病理としての視点から、その原因・心理的背景について、対処方法・社会的対策について分かりやすく解説されています。さらにCV先進国アメリカの現状と対策の実際、そして潜在的にはかなりの発生していると言われる日本の現状や実際などの事例など具体的に紹介されています。現在、日本でもその対策が叫ばれていますが、今後、DV問題について考える際の基本書になるのは間違いありません。なお、本書は、「参議院・男女共生のための調査会」に依頼され、著者が提言をした内容をもとにしたものです。

【内容目次】
はじめに
第1部 家庭内暴力とは、どんな問題なのか? ―― 親密さのなかの病理
第1章 <家庭内暴力>とは、どんな暴力か?
<家庭内暴力>とは、どんな暴力か?
日本の<家庭内暴力暴力>の実態
米国の<家庭内暴力暴力>の実態
「男性問題」としての「加害者問題」
被害者への視点
第2章 家庭内暴力は、なぜ起きるのか?
親密さと暴力 ―― 自立と依存の連鎖
パワー(権力)とコントロール(支配)の関係
<家庭内暴力>の多様性
<家庭内暴力>が起こる要因 ―― 暴力にいたる“リスク要因“
愛情とコミュニケーションのギャップ
ジェンダー・ギャップとコミュニケーション
「ラブ・イズ・ブラインド」 ―― 恋と愛はすべてを覆い隠す
閉ざされた関係としての家族・恋人
暴力と虐待の類型論を超えて
家族という境界
暴力を手段にする「自己顕示的暴力」と「道具的暴力」
第2部 家庭内暴力における“被害者”とは誰か?
第1章 被害者は、なぜ逃げないのか?
「バタード・ウーマン・シンドローム」 ―― 被虐待者の心理的特性
暴力のサイクル
犠牲者への非難
被害者への責任の分散 ―― 「共存性」「アディクション」
「ストックホルム・シンドローム」
どんな関係が「ストックホルム・シンドローム」となるか?
「ストックホルム・シンドローム」であるかどうかの指標
虐待的環境への反応
第2章 「バタド・ウーマン」からの脱出と救助策
「犠牲者(ビクティム)」から「生き抜く者(サバイバー)」への過程を支援する
「シェルター」の機能
「バタード・ウーマン」という把握のもつ意義と限界
「サバイバー」という見方の必要性
ある「バタード・ウーマン」からの手紙
被害者サポート政策として
第3部 家庭内暴力の“加害者”とは誰か? ―― 加害者研究と対策
第1章 加害者研究 ―― 「バタラー」とは、どんな男なのか?
加害者の研究とは?
「バタラー」の共通の特性
「虐待者シンドローム」
「中和化」の研究
日本の離婚裁判における「バタラー」のタイプ
ジキルとハイドの二面性
「世代間連鎖」
「バタラー」のタイプ分け
第2章 加害者対策 ―― 米国での実践
米国での心理教育プログラムの研究
「ダイヴァージョン・プログラム」(刑罰代替策)としての加害者心理教育プログラム
DV加害者プログラムの基準
カリフォルニア州刑法における「ダイヴァージョン・プログラム」の規定
DV加害者プログラムの具体例
「マンアライブ」(カリフォルニア州)のプログラム
「メンズエイソース・センター」(マサチュセッツ州)のプログラム
「エマージュ」(マサチュセッツ州)のプログラム
DV加害者プログラムの特徴
男らしさのハビットの変革 ―― 4つのポイント
第3章 日本での加害者対策の実践
日本社会の問題へ ―― 加害者向けの取り組みへ
男のための非暴力グループワーク
非暴力グループワークの内容
非暴力グループワーク参加者の感想
非暴力グループワークの仮説
加害と向きあう
男性性役割の変化
第4章 男性研究からの家庭内暴力へのアプローチ
ジェンダーと言葉
男たちのコミニュケーション問題
男らしさと男性役割の研究の必要性
「“男らしさ“を憎んで“男”を憎まず」 ―― 男らしさの社会病理
メンツとは?
第5章 メンズサポート活動について
「メンズサポートルーム」へ
「臨床社会学」という見方
男のための対人援助講座
資料「DV防止への法政策提言」
第4部 家族という関係性 ―― 愛と暴力
第1章 私的領域としての家族
家族をめぐる緊迫したドラマ
家族という関係性の特徴
舞台裏としての家族 ―― 感情の解放区
家族空間の感情的強度化・親密化
「家族の自然さ」の崩壊
「家族関係の危機」という関心
物語家族と心の傷
家族のなかの役割
男性役割を問題にすることの意味
“支配的な男らしさ“を問い返すことの社会的な意味
第2章 家族政策と男性・父親問題
スウェーデンにおける男性問題対策
日本における父親政策の必要性
さまよう父親 ―― 「父性の喪失」という見方
閉じた家族と開いた家族
男性役割 ―― 「道具的役割」と「表出的役割」
「男制」 ―― 制度が作る男性性
家族政策のあり方とかかわって
「バターナリズム」の克服
資料:「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」
参考文献
おわりに

【編者紹介】
中村正1958年生まれ。立命館大学応用人間科学研究科・産業社会学部助教授。臨床社会学の視点から、家族病理・社会病理を研究。1994〜95年、米国の家庭内暴力の対策を研究するため、カリフォルニア州立大学バークリー校にて客員研究員。帰国後、家庭内暴力の男性加害者へのサポートを行う「メンズサポートルーム」を主宰。日本における「加害者問題」の研究・対策に取り組んでいる。主著に、「家族のゆくえ―新しい家族社会」(人文書院)、『「男らしさ」からの自由』(かもがわ出版)、『ドメスティック・バイオレンス―加害者研究の現場から』(集英社新書)ほか。