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強姦の歴史

【内容】
16〜20世紀初の性的暴力の歴史。裁判記録、日記、新聞、医学文献…。厖大な史科・実例をもとに、性的暴力の実際と、身体・視線・道徳・主体の問題が複雑に絡み合う社会意識の歴史的変遷をたどる。

【内容目次】
序文

第T部 旧体制―――暴力と涜神
はじめに
1 強姦と他の暴力とに比較
   見世物のとしての刑と無力なる法
   強姦の条文上の刑罰とその実態
   身分による免罪
   示談―――金による解決
   強姦より重罪だった盗み
2 被害者も堕落したという観念
   罪悪感のない加害者たちの意識
   わずかしかなかった告発
   恥辱に包まれた被害者
   動物も殺された”獣姦”
   被害者も断罪された”ソドミー”
   娘も処罰された”近親相姦”
3 女性の主体の不在
   唯一つの手懸かりだった”叫び声”
   男一人ではできない、という固定観念
   強姦は女性の所有者に対する犯罪
   「誘拐による拉致」と「暴力による拉致」
   もっとも多い子供の強姦
まとめ
第U部 18世紀―――法の変化と無力さ
はじめに
1 強姦に対する世論の変化
   暴力観の変化と刑罰の見直し
   田舎の「残忍なる強姦魔」たち
   貴族たちの「人騒がせな快楽」
   サド「アルカイユ事件」の波紋
   ビュフォンの「暴力的性衝動」への注目
2 <子どもの強姦>という概念の誕生
   子どもの強姦裁判の増加
   処女膜の鑑定
   子どもの強姦裁判の実際
   「ふしだらな子ども」という疑い
3 フランス革命による法の変革と強姦
   「拉致」から「強姦」へ
   無視された”強制的合意”
   道徳的罪から社会的罪へ
   条文化された広義の性的暴力
   実際の裁判における変化
まとめ
第V部 19世紀―――近代法の成立と犯罪の序列化
 はじめに
 1 新たなる犯罪観への模索
    時代遅れの犯罪とみなされた強姦
    暴力犯罪と非暴力犯罪の逆転
    好奇心をそそる物語としての犯罪
    新たなる犯罪の序列化
 2 法に定義された性的暴力
    「強制猥褻」の登場
    罪となった「強姦未遂」
    子どもへの性的暴力の罪名
    精神病理と法律
    新たなる法的項目「風紀を害する行為」
 3 「精神的暴力」という概念の誕生
    肉体的ではない「暴力の一種」
    刑法見直しと「見えない暴力」の定義
    裁判ではじめて認知された「誘惑」
    新たなる被害者への”疑い”
 4 法の変化とその適用の実際
    強姦裁判の増加と暴力犯罪の減少
    成人女性の強姦―――法と慣習の大きな隔たり
    子どもへの性的暴力―――都市での告発の増加
    「都市の病理」―――場末の「野蛮人」というイメージ
    世論を騒がせた「教養ある男」の性的犯罪
 まとめ
第W部 19世紀末―――「強姦者」の発明
 はじめに
 1 子どもへの「強姦殺人」
    大人の代用から、性的倒錯の対象へ
    多発する近親相姦
    発見された「むごたらしい死体」
    折檻―――肉体的虐待
 2 「強姦者」の研究
    頭蓋骨における特徴の研究
    身体全体に広がった特徴探し
    「性的倒錯」の発明とその分類
 3 「強姦者」は我々の外ではなく内側にいる
    強姦者と自分の類似性
    肉体的快楽の肯定
    強姦者のイメージ―――貧乏人・浮浪者・外国人
    最初の「連続殺人犯」
    精神科医と裁判官の対立
 4 精神医学の揺籃期
    催眠術による強姦
    「心の傷」―――精神的被害の発見
    社会による監視と啓蒙
 まとめ
    19世紀末の性的暴力の概念と現代の概念の比較
第X部 20世紀―――風俗論争・強姦と今日の社会
 はじめに
 1 ”強姦者”の裁判から”強姦”の裁判へ
    1978年の象徴的裁判
    強姦の法的定義論争
    風俗の抵抗―――その後の裁判の実際
 2 揺れ動く男性社会
    刑法改正―――「風紀紊乱」から「性的侵害」へ
    セクシャル・ハラスメント
    新しい暴力観
    さまざまな分野で告発されはじめた性的暴力
 3 子どもへの性的虐待
    急増する犯罪件数
    取り返しのつかない”心の傷”
    現代社会の「小さな犠牲者」
    予防と治療
 まとめ
 おわりに
 謝辞
 訳者あとがき…藤田真利子

【著者紹介】
ジョルジュ・ヴィガレロ1941年生まれ。現在、パリ第X大学の教授(歴史学)。社会通念が歴史的にいかに形成されてきたか、具体的に身体を通して明らかにしている。既訳書に『清潔になる<私>―――身体管理の文化誌』(見市雅俊ほか訳。1994年、同文舘刊)。他に『教育権の歴史』(1978年)、『スポーツ文化の歴史』(1985年)、『健康と不健康』(1993年)ほか。
【訳者紹介】
藤田真利子1951年、福島県生まれ。翻訳家。主な訳書に、『死刑産業』(スティーブン・トロンブレイ、作品社)、『死刑執行』(ロベール・バダンテール、新潮社)、『野生の心、野性への旅』(デイヴット・クォメン、河出書房新社)ほか。