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ブッチャーズ・クロッシング

【内容】
『ストーナー』で世界中に静かな熱狂を巻き起こした著者が描く、十九世紀後半アメリカ西部の大自然。バッファロー狩りに挑んだ四人の男は、峻厳な冬山に帰路を閉ざされる。彼らを待つのは生か、死か。
人間への透徹した眼差しと精妙な描写が肺腑を衝く、巻措く能わざる傑作長篇小説。

アンドリューズはつねに自分の気持ちがつかめず、言葉で言い表せない。唯一の女性の登場人物に対する感情についても、それは同じだ。幾度となく、自分は何者なのかと自問もするが、答えを出すことができない。(…)人間とは弱いものだ。むろん、強く生き抜く人もいるだろうが、たいていの人は、自分の弱さをくり返し痛感しながら生きていかざるをえない。だが、それでいいのではないか。成果が出せなくても、意義が見出せなくてもかまわない。ただ生きていくことこそが尊いのだ。この小説はそう語りかけている。アンドリューズは前へ前へと進んでいく。そこに希望がある。(「訳者あとがき」より)


【著訳者略歴】
ジョン・ウィリアムズ(John Edward Williams)
1922年8月29日、テキサス州クラークスヴィル生まれ。第二次世界大戦中の1942年に米国陸軍航空軍(のちの空軍)に入隊し、1945年まで中国、ビルマ、インドで任務につく。1948年に初の小説、Nothing But the Night が、1949年には初の詩集、The Broken Landscapeが、いずれもスワロープレス社から刊行された。1960年には第2作目の小説、Butcher's Crossing(本作)をマクミラン社から出版。また、デンヴァー大学で文学を専攻し、学士課程と修士課程を修めたのち、ミズーリ大学で博士号を取得した。1954年にデンヴァー大学へ戻り、以降同大学で30年にわたって文学と文章技法の指導にあたる。1963年には特別研究奨学金を受けてオックスフォード大学に留学し、さらにそこでロックフェラー財団の奨学金を得て、イタリアへ研究調査旅行に出かけた。1965年、第3作目となる小説Stonerを上梓。本書は21世紀に入り“再発見”されて、世界的な大ヒット作となる。1972年に出版された最後の小説、Augustus は、イタリア旅行のときの取材をもとに書かれた作品で、翌年に全米図書賞を受賞した。1994年3月4日、アーカンソー州フェイエットヴィルで逝去。

布施由紀子(ふせ・ゆきこ)
翻訳家。大阪外国語大学英語学科卒業。訳書に、ケイティ・バトラー『天国の扉をたたくとき』(亜紀書房)、チャールズ・C・マン『1493──世界を変えた大陸間の「交換」』(紀伊國屋書店)、ティモシー・スナイダー『ブラッドランド──ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』(上・下、筑摩書房)、ニック・タース『動くものはすべて殺せ──アメリカ兵はベトナムで何をしたか』(みすず書房)などがある。