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第十五回 内田百阨カ学賞 受賞作品集

【内容】
《最優秀賞》受賞作
「たまゆら湾」江口ちかる
シニア向け文学賞を受賞した小説『たまゆら湾』には、少年、明が古本屋の女性店主、美耶子に寄せた恋心が描かれていた。そんな中、その店主は母がモデルではないかという手紙が届く。

《優秀賞》受賞作
「岡山駅から」松本利江/「糸」馬場友紀

選評:小川洋子・平松洋子・松浦寿輝

小川洋子氏評
最優秀賞に選ばれた『たまゆら湾』は、二つの重なり合う小説を無理なく一つの作品におさめていた。Kの書いた小説と、それにまつわる小説部分の文体が見事に書き分けられ、平凡な優しい父親Kの心に潜む、明の姿が生き生きと浮かび上がって見えてくる。

平松洋子氏評
さまざまな創意工夫は、作者にとっての「書く楽しみ」と読者の「読む楽しみ」を共有する挑戦でもあり、気を逸らさせない。…応募作品中、「読ませる面白さ」が頭ひとつ抜きん出ていた。

松浦寿輝氏評
『たまゆら湾』は淡い恋情の物語に、「玉響」という美しい雅語…のイメージを絡めるという発想が、きわめて秀逸だった。枠構造に基づく筋立ても洒落ており、「ほんの一瞬」の記憶のはかなさが、長い人生の歳月を逆照射するあたりに、小説的魅惑がみなぎっている。