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戦後日本、記憶の力学
「継承という断絶」と無難さの政治学

【内容】
私たちが向きあうべき戦争の記憶とは何か――
〈継承〉の欲望と〈忘却〉の再生産。

戦後中期から現代にかけての「継承という断絶」の諸相を描く。霊園・戦跡・モニュメント・新聞・映画・小説・手記など、さまざまなメディアをとおして、戦争記憶の「継承という断絶」が生み出される社会背景やメカニズムを解明する。長年このテーマに取り組んできた注目のメディア研究者による戦争記憶の歴史社会学。

いまも毎年夏になると、「戦争の記憶」の継承が叫ばれる。だが、そこでは「継承の欲望」は語ってはいても、そこ自体に内在する「風化」「断絶」が見落とされてはいないだろうか。戦争映画や戦跡観光と いったポピュラー文化のなかで、調和的な「継承」が麗しく語られる一方、軍内部の組織病理や暴力に着目されることは少ない。だとすれば、体験や記憶の「継承」の美名に浸ること自体が、じつは見るべきものから目を背け、「風化」「断絶」を進行させているとも言えまいか。
――本書「プロローグ」より