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【増補改訂版】心の傷を癒すということ
大災害精神医療の臨床報告

【内容】
大震災によって、人の心はいかに傷ついているのか? そして、復興によって癒すことはできるか? 阪神大震災の被災者の“心の叫び”と、生涯にわたり取り組みつづけた精神科医による、初めての大災害精神医学の臨床報告。阪神大震災の経験を、東日本大震災の被災地に生かすために。
サントリー学芸賞受賞作に、大幅増補した決定版!
著者が書き残した改訂を加え、さらに新たに阪神大震災および災害精神医学に関するエッセイや論考を大幅に増補し、そして著者と関係の深かった方々の文章を収録。
●増補した内容
被災地の心の風景
震災から4年目の神戸――虚無感と希望
災害精神医学と心的外傷
●寄稿:中井久夫、鷲田清一、川本隆史、河村直哉、田中究、宮地尚子

やがて被災地は、「ハネムーン期」を終えて「幻滅期」に入っていく……。
この「幻滅期」を越えて、私たちは再建に向かわなければならない。それは〈心の傷〉を見て見ないふりをして前進することではないだろう。多数派の論理で押しまくり、復興の波に乗れない“被災の当事者”でありつづけている人たちを、忘れ去ることではないはずである。“心の傷を癒すということ”は、精神医学や心理学に任せてすむことではない。それは社会のあり方として、今を生きる全員に問われていることなのである。(「復興にむけて」より要約)

「耳元で“助けて、助けて”という声がするんです。私も逃げるので精一杯だったんです。助けてあげられなかった。それで自分を責めてしまうんです……。私も死んでしまえばよかった。いつか、この“声”から解放されるんでしょうか……」(PTSD――Jさんの場合)

【著者紹介】
安克昌(あん・かつまさ)1960年、大阪市生まれ。神戸大学医学部卒業。精神科医。阪神大震災において、神戸大学附属病院精神科医局長として、自らも被災しながら、全国から集まった精神科医のボランティアをコーディネイトし、精神科救護所・避難所などで、カウンセリング・診療などの救護活動を行なった。その後も被災者の心の問題と取り組みつづけ、阪神大震災の一年後に、その臨床報告としてまとめた『心の傷を癒すということ――神戸…365日』(本書の旧版)を刊行。本書は「第18回 サントリー学芸賞」を受賞した。神戸大学医学部講師、神戸市立西市民病院精神神経科医長を務め、心的外傷の治療のパイオニアとして活躍していたが、39歳の若さで肝臓ガンで死去した。