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国民票決と国民発案
ワイマール憲法の解釈および直接民主制論に関する一考察

【内容】
シュミットの思想が最も凝縮された未訳の翻訳

“民意は”絶対なのか? “直接民主制”は可能なのか? ナチスの桂冠法学者が、ヒトラー政権樹立前、「世界で最も民主的」といわれたワイマール憲法を素材に、民主主義、議会と立憲主義などを論じる。いわばシュミットの中軸「民主主義―憲法―喝采」が、最も凝縮された論考、初翻訳。【付】監訳者の特別解説「シュミット理論の魅(魔)力」


九十年前のドイツで書かれたシュミットのテクストを、現代の日本の政治状況に直接的に重ね合わせることには慎重にならねばならないが、少なくとも、民衆の圧倒的な情熱に過度の期待を寄せる「直接民主主義」が、予想外の危険を秘めていることは読み取れるだろう。このテクストを通して読めば分かるように、魔性の法学者カール・シュミットは、少なくとも本人の理解では、“立憲民主主義者”だったのである。(本書解説より)

【内容目次】
第1章 国民立法手続き
1 国民票決の条件
2 もうひとつの立法手続き
第2章
1 三つの事項が直接民主制から除外されるのは何故か
2 予算案と国民発案
3 憲法史における財政問題
第3章
1 「国民」の「喝采」
2 国民の意思をいかに定式化するか
3 「自治」をめぐる問題
4 主権的行為としての国民立法手続き
5 国民と官吏、そしてアナーキズム
6 自由主義vs.民主主義
原注
訳注
資料 ワイマール憲法関連条文
解説 シュミット理論の魔(魅)力

【著訳者略歴】
カール・シュミットCarl Schmitt(1888年−1985年)ドイツ・ヴェストファーレン地方のプレッテンベルクに生まれる。生家はカトリック。ベルリン、ミュンヘン、シュトラスブルクで学び、1916年論文「国家の価値と個人の意義」により教授資格取得。ヒトラー政権の誕生から敗戦までの1933年から44年、ベルリン大学教授。またナチスに多大な影響を与えた小説家エルンスト・ユンガーと終生にわたり交流。第二次大戦後逮捕され、ニュルンベルク裁判では、不起訴。以後は隠棲し著述活動に専念した。ドイツが敗北した第一次大戦後のワイマール共和国並びにヴェルサイユ体制を批判しつつ、〈決断〉と独裁者、敵/味方、〈政治〉概念を規定した彼の議論は、1933年登場のナチス・ヒトラー体制の「独裁」を思想的に先取りしたといえる。ヴァルター・ベンヤミン、レオ・シュトラウス、ジャック・デリダ、ハンナ・アーレント、ジョルジョ・アガンベン、アントニオ・ネグリ、スラヴォイ・ジジェク、シャンタル・ムフら、現在に至るも、保守主義や右派から、ポストモダン左派まで、幅広く多大な影響を与え続けている。主要な著作は、『カール・シュミット著作集(I・II)』(長尾龍一編、田中成明・樋口陽一・長尾龍一ほか訳、慈学社、2007年)に収められている。

仲正昌樹(なかまさ・まさき)1963年広島生まれ。東京大学総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了(学術博士)。現在、金沢大学法学類教授。専門は、法哲学、政治思想史、ドイツ文学。古典を最も分かりやすく読み解くことで定評がある。また、近年は、『Pure Nation』(あごうさとし構成・演出)でドラマトゥルクを担当するなど、現代思想の芸術への応用の試みにも関わっている。最近の主な著作に、『ハイデガー哲学入門──「存在と時間」を読む』(講談社現代新書)、最近の主な編・共著に、『政治思想の知恵』『現代社会思想の海図』(ともに法律文化社)、最近の主な翻訳に、ハンナ・アーレント著/ロナルド・ベイナー編『完訳カント政治哲学講義録』(明月堂書店)、最近の主な共・監訳に、ドゥルシラ・コーネル著『自由の道徳的イメージ』(御茶の水書房)。

松島裕一(まつしま・ゆういち)1979年生。大阪大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、摂南大学法学部専任講師。専門は法哲学・法思想史。