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堕ちた天使

【内容】
舞台は19世紀末ロシア。主人公はモスクワ警察特捜部に配属されてまだ三週間のエラスト・ファンドーリン。二十歳の新米刑事。ある大金持ちの自殺をきっかけに、連続自殺未遂事件の捜査に乗り出すファンドーリン。捜査の過程で、信頼していた上司に裏切られながらも、世界的な規模の秘密組織を相手に、モスクワ、ロンドン、ペテルブルグをまたにかけ、幾多の危機を乗り越えながら事件の解決に向けて活躍する若きヒーロー、ファンドーリン。随所にロシア古典文学を暗示するディテールを散りばめ、ドストエフスキーやトルストイら19世紀ロシアの文豪たちの系譜を受け継ぐ「ロシア古典文学の色香が濃厚に漂う」、純文学とエンターティメントが絶妙に溶け合った話題の処女作。

【著者紹介】
ボリス・アクーニンいまや日本以上にミステリー・ブームに湧くロシアでは、次から次へと新人作家が登場、それぞれ読者獲得の競争にしのぎを削っている。その中でも他を圧倒的にリードして、一躍ベストセラー作家のトップに踊り出たのがボリス・アクーニンである。昨年「エラスト・ファンドリンの冒険」シリーズの第一作である本書を刊行以来、爆発的な人気を呼び、すでに同シリーズは早くも五作に及び、他に「尼僧ペラギヤ・シリーズ」とファンドーリンの孫が活躍する新シリーズも始まるという盛況ぶり。その名声は国内にとどまらず、イタリア、ドイツ、フランス、アメリカ各国がいち早く版権を取得、国際作家としての第一歩を踏み出し始めている。