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密告

【内容】
真実を追い求め世界で高い評価を得ているノンフィクション・評伝作家が、はじめてノンフィクションとしては書けない事実にぶつかった。そして初めて「フィクション」(小説)として書き上げたのが本書である。著者アスリーヌは、謎といわれる推理作家ジュルジュ・シムノンのナチ占領下パリでの行動について調べる過程で、偶然、数千通にもおよぶ警察への「密告の手紙」を発見する。目を通していくと、その中には妻の親戚一家をナチ収容所に送り込んだ密告書があった。この密告によって妻の父以外は、一家が全員絶命したのだ。そして、それを書いたのは、近所の人のよいおばあさんだった。彼は真実の追究をはじめる。当時の警察官、おばあさんをよく知る近所の人々、おばあさん本人・・・・。それは占領下パリの「亡霊」を呼び起こし、平和に暮らす商店街の人々の過去の傷口をえぐりだしてゆく。そして、おばあさんは・・・・・。舞台は、パリ15区のアベニュー。3軒の商店と1軒の酒場、そして教会と1台のバスの中だけ。このわずか数百メートルの範囲の中に、まさに戦中・戦後のフランスの縮図が描かれていく・・・・・。

【内容目次】
日本の読者の皆さんへ
密告
訳者あとがき

【著者紹介】
ピエール・アスリーヌ1953年、カサブランカ生まれ。父親はユダヤ系で、レジスタンスの戦士だった.フランスを代表する伝記作家であり、徹底した資料調査によって、20世紀文化を作り上げた人物たちの実像を浮かび上がらせている。主な著書として、邦訳のある『ガストン・ガリマール』(84)『カーンワイラー』(87)のほか、『シムノン』(92)『エンジェル』(96)『カルチエ=ブレッソン』(99)ほか多数。数々の賞に輝く。現在は、月刊誌『ル・リール』の編集長もつとめる。ナチ占領時代にこだわり、この時代に関する詳細な調査では右に出る者はないと言われる。本書は、”密告”の手紙を発見してから8年の歳月をかけて調査し、初めて執筆した小説である。