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アウグストゥス

【内容】
養父カエサルを継いで地中海世界を統一し、ローマ帝国初代皇帝となった男。世界史に名を刻む英傑ではなく、苦悩するひとりの人間としてのその生涯と、彼を取り巻いた人々の姿を稠密に描く歴史長篇。
『ストーナー』で世界中に静かな熱狂を巻き起こした著者の遺作にして、全米図書賞受賞の最高傑作。


資料を読み込み、調査を進めるかたわら、その車でイタリア各地はもちろん、ローマ時代にマケドニア属州であったトルコやユーゴスラビア、さらにギリシャの島々も訪れた。登場人物たちが生きた土地の「空気感を味わいたかった」のだという。(…)それはみごとに成功した。読者は史実がわかっていてもなお、彼らの“いま”を感じ、登場人物のひとりひとりが胸にいだく希望や不安や恐れを身近に感じることができるのだ。しかしそれも、背景が生き生きと描写されているからこそ可能なのだろう。物語全体がひとつの生き物のように、圧倒的なスケールとパワーをもって息づいている。(「訳者あとがき」より)


【著訳者略歴】
ジョン・ウィリアムズ(John Edward Williams)
1922年8月29日、テキサス州クラークスヴィル生まれ。第二次世界大戦中の1942年に米国陸軍航空軍(のちの空軍)に入隊し、1945年まで中国、ビルマ、インドで任務につく。1948年に初の小説、Nothing But the Nightが、1949年には初の詩集、The Broken Landscape が、いずれもスワロープレス社から刊行された。1960年には第2作目の小説、Butcher's Crossingをマクミラン社から出版。また、デンヴァー大学で文学を専攻し、学士課程と修士課程を修めたのち、ミズーリ大学で博士号を取得した。1954年にデンヴァー大学へ戻り、以降同大学で30年にわたって文学と文章技法の指導にあたる。1963年には特別研究奨学金を受けてオックスフォード大学に留学し、さらにそこでロックフェラー財団の奨学金を得て、イタリアへ研究調査旅行に出かけた。1965年、第3作目となる小説Stonerを上梓。本書は21世紀に入り“再発見”されて、世界的な大ヒット作となる。1972年に出版された最後の小説、Augustus(本作)は、イタリア旅行のときの取材をもとに書かれた作品で、翌年に全米図書賞を受賞した。1994年3月4日、アーカンソー州フェイエットヴィルで逝去。

布施由紀子(ふせ・ゆきこ)
翻訳家。大阪外国語大学英語学科卒業。訳書に、A・R・ホックシールド『壁の向こうの住人たち──アメリカの右派を覆う怒りと嘆き』(岩波書店)、エリック・シュローサー『核は暴走する──アメリカ核開発と安全性をめぐる闘い』(上・下、河出書房新社)、ジョン・ウィリアムズ『ブッチャーズ・クロッシング』(作品社)、ケイティ・バトラー『天国の扉をたたくとき』(亜紀書房)、チャールズ・C・マン『1493──世界を変えた大陸間の「交換」』(紀伊國屋書店)、ティモシー・スナイダー『ブラッドランド──ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』(上・下、筑摩書房)、ニック・タース『動くものはすべて殺せ──アメリカ兵はベトナムで何をしたか』(みすず書房)などがある。