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無慈悲な昼食

【内容】
「タンクレド君、頼みがある。ボトルを持ってきてくれ」
地区の人々に昼食を施す教会に、風変わりな飲んべえ神父が突如現われ、表向き穏やかだった日々は風雲急。誰もが本性をむき出しにして、上を下への大騒ぎ! 神父は乱酔して歌い続け、賄い役の老婆らは泥棒猫に復讐を、聖具室係の養女は平修女の服を脱ぎ捨てて絶叫!
ガルシア=マルケスの再来との呼び声高いコロンビアの俊英による、リズミカルでシニカルな傑作小説。

青年は身の毛がよだった。教会で最も神聖な場所である祭壇の隅に漂ったあるまじき香り。乳香に混じってつんと鼻を突いたのはクローブやシナモンよりきつい、アニスの酸っぱいにおいだった。蒸留酒だなとぴんときた。祖国の香りがする。あきれ顔で、マタモーロス神父がぶつぶつ唱えながら聖杯の半分以上にアニス酒を注ぎ、ゴクゴク飲み干しているのを見やった。サン・ホセ・マタモーロスはミサで歌えるだけでなく、ミサで酔える飲んべえ司祭、いわゆるとんでも神父だったんだ。(本書より)

【著者紹介】
エベリオ・ロセーロ(Evelio Rosero)1958年コロンビア生まれ。ポスト“ラテンアメリカ・ブーム”世代を担う小説家のひとり。著書多数。コロンビアおよびメキシコで数々の文学賞を受賞しているが、2006年に顔のない軍隊でスペイン・トゥスケツ小説賞を受賞、広くヨーロッパでその存在を知られるようになる。2009年には同作で英国「インデペンデント」紙外国小説賞を受賞。
八重樫克彦(やえがし・かつひこ)
1968年岩手県生まれ。ラテン音楽との出会いをきっかけに、長年、中南米やスペインで暮らし、語学・音楽・文学などを学ぶ。現在は翻訳業に従事。訳書にマリオ・バルガス=リョサ『チボの狂宴』、『悪い娘の悪戯』、マルコス・アギニス『マラーノの武勲』、『天啓を受けた者ども』、『逆さの十字架』、エベリオ・ロセーロ『顔のない軍隊』(以上作品社)、『御者(エル・コチェーロ)』(新曜社)、『音楽家のための身体コンディショニング』(音楽之友社、すべて八重樫由貴子と共訳)。
八重樫由貴子(やえがし・ゆきこ)
1967年奈良県生まれ。横浜国立大学教育学部卒。12年間の教員生活を経て、夫・克彦とともに翻訳業に従事。