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史話 日本の古代 第一巻 日本人はどこから来たか

【内容】
「戦争の世紀」といわれた二十世紀が幕を閉じ、私たちをとりまく国際環境は、従来とは全く異なった様相を呈しています。国際情勢が大きく変動する中で、今ほど日本の社会、日本人の本質が問われているときはありません。
グローバリズムが世界を席巻している現時点では、大戦後五十数年続いた国家の名前が消失したり、国家の概念そのものが大きく揺らいでいます。まさに人々がはじめて国を創り、国家体制を造りあげた古代の時代に相似しています。
周囲を波に洗われる日本列島ですが、決して隔絶された「島国」だったわけではありません。古代においては、近接する東アジアの国ぐにの影響を受け、あるときは大量の難民が流入し、あるときは先進文化をたずさえた人びとが多数渡来して新しい文化の基層をつくりました。またあるときは政変が起きて、社会と人びとの生活に変化をもたらしました。先人たちはどのような思い、方法で現代に続く「日本」を創ったのでしょうか。
科学が高度に発達した今日、有史以前の学説は炭素同位体による年代測定、花粉分析、DNA鑑定などにより、より正確に解析されつつあります。しかしながら、いかに科学的知識をもってしても、文化を創り、社会を形成するに至る古代人の心情の機微にまでは達することはできません。客観的資料の乏しい古代世界はいまだ謎とロマンに満ちており、新たな発掘や資料発見により従来の定説がしばしば大きく塗り替えられ、私たちの想像力はより一層かきたてられます。
本企画は、そうした歴史に対する想像力を踏まえた「史話」という観点から、歴史学や考古学、さらには人類学や民俗学の成果を紹介しながら、古代日本の「生きた姿」をアンソロジー形式で浮かび上がらせようとするものです。
指針なく方向の定まらない現代において、「日本の古代」をひもとくことは、「日本の未来」を切り開く鍵となるでしょう。

【内容目次】
はじめに(埴原和郎)
日本民族と自然環境(抄録・安田喜憲)
火山噴火と古代の自然(辻誠一郎)
旧石器時代の歴史はさけて通れない(稲田孝司)
コラム 旧石器文化の原点(吉崎昌一)
照葉樹林文化帯(中尾佐助)
東アジアの自然とナラ林文化(佐々木高明)
縄文巨木文化(長部日出雄)
コラム 縄文人の食糧事情(山岸良二)
芋栽培と月信仰(吉田敦彦)
南で生まれた北海道犬(田名部雄一)
コラム 先進性を物語る南九州の縄文文化(上村俊雄)
弥生文化の特質(佐原真)
DNAからみたイネの道(佐藤洋一郎)
人口爆発――縄文・弥生に何が起こったか(小山修三)
弥生人の由来について(内藤芳篤)
鉄と青銅は村をつなぐ(田中琢)
コラム 銅鐸を埋めた古代びとの心(関和彦)
徐福は日本に来たか(茂在寅男)
日本文化のかたち(抄録・網野善彦・森浩一)