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史話 日本の古代 第四巻 巨大古墳を造る

【内容】
「戦争の世紀」といわれた二十世紀が幕を閉じ、私たちをとりまく国際環境は、従来とは全く異なった様相を呈しています。国際情勢が大きく変動する中で、今ほど日本の社会、日本人の本質が問われているときはありません。
グローバリズムが世界を席巻している現時点では、大戦後五十数年続いた国家の名前が消失したり、国家の概念そのものが大きく揺らいでいます。まさに人々がはじめて国を創り、国家体制を造りあげた古代の時代に相似しています。
周囲を波に洗われる日本列島ですが、決して隔絶された「島国」だったわけではありません。古代においては、近接する東アジアの国ぐにの影響を受け、あるときは大量の難民が流入し、あるときは先進文化をたずさえた人びとが多数渡来して新しい文化の基層をつくりました。またあるときは政変が起きて、社会と人びとの生活に変化をもたらしました。先人たちはどのような思い、方法で現代に続く「日本」を創ったのでしょうか。
科学が高度に発達した今日、有史以前の学説は炭素同位体による年代測定、花粉分析、DNA鑑定などにより、より正確に解析されつつあります。しかしながら、いかに科学的知識をもってしても、文化を創り、社会を形成するに至る古代人の心情の機微にまでは達することはできません。客観的資料の乏しい古代世界はいまだ謎とロマンに満ちており、新たな発掘や資料発見により従来の定説がしばしば大きく塗り替えられ、私たちの想像力はより一層かきたてられます。
本企画は、そうした歴史に対する想像力を踏まえた「史話」という観点から、歴史学や考古学、さらには人類学や民俗学の成果を紹介しながら、古代日本の「生きた姿」をアンソロジー形式で浮かび上がらせようとするものです。
指針なく方向の定まらない現代において、「日本の古代」をひもとくことは、「日本の未来」を切り開く鍵となるでしょう。。

【内容目次】
はじめに(大塚初重)
騎馬民族説は実証された!(江上波夫)
騎馬民族は来なかった(佐原眞)
コラム 高句麗騎馬軍団の強さ――好太王碑(伊藤秋男)
殉死と埴輪(三浦佑之)
古代の馬文化を追う(大塚初重)
コラム 火山噴火に埋められた東国のムラ――黒井峯遺跡(石井克己)
巨大古墳の謎(広瀬和雄)
大和から河内へ(熊谷公男)
嫉妬する皇后(田辺聖子)
仁徳陵(鎌田元一)
倭の五王の時代と東アジア(抄録・佐伯有清)
大和の王権の確立(田中琢)
金銀文字は語った(岡本健一)
強く意識された雄略朝(抄録・岸俊男)
継体天皇をめぐって(山尾幸久)
コラム 継体大王の母振媛の故地――六呂瀬山一号墳(青木豊昭)
磐井の乱(抄録・和田萃)
コラム 磐井の反乱をみつめる――岩戸山古墳(佐田茂)
任那日本府について(黒岩重吾)
「天皇陵」偽造の歴史(直木孝次郎)