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史話 日本の古代 第三巻 ヤマト王権のあけぼの

【内容】
「戦争の世紀」といわれた二十世紀が幕を閉じ、私たちをとりまく国際環境は、従来とは全く異なった様相を呈しています。国際情勢が大きく変動する中で、今ほど日本の社会、日本人の本質が問われているときはありません。
グローバリズムが世界を席巻している現時点では、大戦後五十数年続いた国家の名前が消失したり、国家の概念そのものが大きく揺らいでいます。まさに人々がはじめて国を創り、国家体制を造りあげた古代の時代に相似しています。
周囲を波に洗われる日本列島ですが、決して隔絶された「島国」だったわけではありません。古代においては、近接する東アジアの国ぐにの影響を受け、あるときは大量の難民が流入し、あるときは先進文化をたずさえた人びとが多数渡来して新しい文化の基層をつくりました。またあるときは政変が起きて、社会と人びとの生活に変化をもたらしました。先人たちはどのような思い、方法で現代に続く「日本」を創ったのでしょうか。
科学が高度に発達した今日、有史以前の学説は炭素同位体による年代測定、花粉分析、DNA鑑定などにより、より正確に解析されつつあります。しかしながら、いかに科学的知識をもってしても、文化を創り、社会を形成するに至る古代人の心情の機微にまでは達することはできません。客観的資料の乏しい古代世界はいまだ謎とロマンに満ちており、新たな発掘や資料発見により従来の定説がしばしば大きく塗り替えられ、私たちの想像力はより一層かきたてられます。
本企画は、そうした歴史に対する想像力を踏まえた「史話」という観点から、歴史学や考古学、さらには人類学や民俗学の成果を紹介しながら、古代日本の「生きた姿」をアンソロジー形式で浮かび上がらせようとするものです。
指針なく方向の定まらない現代において、「日本の古代」をひもとくことは、「日本の未来」を切り開く鍵となるでしょう。。

【内容目次】
はじめに・神話に見る大和と出雲(上田正昭)
『古事記』序(太安万侶/橋本治・訳)
稗田阿礼(柳田國男)
高天原と水平思考(上田正昭)
宗像三神と記紀神話(井上光貞)
コラム 沖ノ島と三女神の祭祀(佐田茂)
大蛇退治の説話の源流(鳥越憲三郎)
草薙剣(森浩一)
国譲り神話と諸氏族(松前健)
大国主命(益田勝実)
コラム 高大な神殿はなぜ造られたか(千家和比古)
物部氏と天皇家の降臨伝承(黛弘道)
神武の即位伝承(和田萃)
コラム 船に乗ってきた天皇(前之園亮一)
「御肇国天皇」としての崇神天皇(水野祐)
神を問う山辺の道(岡部伊都子)
コラム ヤマト王権の成立事情(千賀久)
サホビメ物語(山崎正之)
木を伐るものの伝説(川村湊)
「鉄」の皇子ヤマトタケルの実像(谷川健一・田中澄江)