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宇宙飛行士のペン

【内容】
映像作家/新聞記者として多年にわたり活動した著者が、若くして亡くなった友、病を得て渡米した娘、文学への断ち難き思いから、顔の見えないネット社会への批判、日本と中国の関係までを綴る、円熟のエッセイ集。

かれは死をもって、私に生きることの意味を教えてくれた。かれは生を愛したように死をも愛せたのだ。風前の灯のようなかれのいのちの火を消すまい、と私はそのことばかりに気を奪われていた。よき死を迎えようとしていたかれの最期の夢をやっと理解できそうな気がした。
〈書きたいものが、自由に書けるということは、こんなにもたのしいことなんだ。がんに感謝しなくちゃね〉。その声は、白くなった空へ吸いこまれるように消えた。(本書より)

【内容目次】
宇宙飛行士のペン/遅れた巣立ち/大学教授の怒り/父の遺言状/純文学アレルギー/事実と真実/道程はるか/声の波紋/顔のみえない犯罪者たち/いさぎよい罰の甘受/ある映像の記憶/天山山脈の向こうへ/いつか来た道

【著者紹介】
山田直堯(やまだ・なおたか)1938年生まれ。ニュース映画制作、新聞記者を経て、フリーライター。1964年、『恐怖の新薬渦・十字架の子ら』で第14回ブルーリボン賞ニュース映画賞(作品受賞)、1975年、東京コピーライターズクラブ新人賞、1985年、『赤い服』で第11回中央公論新人賞次席。著書に、『赤い服』(青弓社、1989年)、『回帰線』(青弓社、1990年)、『山田直堯短篇小説(朗読小説集・全三巻)』(レッドクローズ、2008年)。