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暁の群像 豪商岩崎弥太郎の生涯

【内容】
土佐の地下浪人の倅から身を起こし、天性の豪胆緻密な性格とあくなき商魂とで新政府の権力に融合して三菱財閥の礎を築いた日本資本主義創成期の立役者・岩崎弥太郎の生涯と、維新の担い手となった若き群像の躍動!

作家であり経済学者でもある著者・南條範夫の真骨頂を表した畢生の傑作大長篇小説。
《2010年大河ドラマ「龍馬伝」で注目!》

 一代で三菱財閥を築いた立志伝中の人物・岩崎弥太郎を主人公に、幕末維新史を経済の視点から切り取った『暁の群像』は、金融を専門とする経済学者としても数多くの功績を残している著者の専門知識が遺憾なく発揮された作品でもあるのだ。
南條が、貿易の自由化に併せるかのように『暁の群像』の連載を始めたのは、日本の資本主義の基礎を作り上げた一人であり、貿易によって巨大企業を築いた岩崎弥太郎をクローズアップすることで、地下資源に乏しく貿易国家としてしか存続できない日本の原点に迫るためだったのではないだろうか。
二〇一〇年のNHK大河ドラマ『龍馬伝』は、岩崎弥太郎を語り手にして龍馬の生涯を描くとのことだが、こうした設定も、龍馬と弥太郎が、同じ夢を見ながら、経営手法や性格が対照的だったから生まれたのだろう。このあたりの事情は、土佐藩が幕末にどのような政治的な選択をしたのかを含め、本書でもあますことなく活写されている。(末國善己「解説」より)

【内容目次】
この父/この子/少林塾/新おこぜ組/城下の惨劇/奇妙な仇討/有為転変/尻抜け後藤/長崎の月/京洛の月/片隅の波瀾/大坂土佐商会/築地梁山泊/金と女と/廃藩置県/富貴楼お倉/争う藩閥/三菱商会/制覇への道/金難女難/富商盛衰/西南の役/人と人/財界の覇者/にせ札事件/自由の烈風/攻撃の開始/少年車夫/凄惨な競争/高島炭鉱/巨木倒る

【著者紹介】
南條範夫(なんじょう・のりお)1908〜2004。小説家。東京都生まれ。東京帝国大学法学部卒業後、中央大学などで教鞭を取るかたわら新人賞への投稿を始め、「出べそ物語」で週刊朝日懸賞小説、「子守の殿」でオール読物新人賞を受賞するなど、様々な新人賞を獲得。1953年には『燈台鬼』で直木賞を受賞。封建時代の主従をサド―マゾの関係とした『武士道残酷物語』を始めとする“残酷”もので人気作家となる。また剣豪小説の名作“月影兵庫”シリーズ、隆慶一郎『影武者徳川家康』に影響を与えた歴史ミステリー『三百年のベール』、歴史SF『わが恋せし淀君』など、多彩な作品を残している。

末國善己(すえくに・よしみ)1968-。文芸評論家。編書に『国枝史郎探偵小説全集』、『国枝史郎歴史小説傑作選』、『国枝史郎伝奇短篇小説集成(全二巻)』、『国枝史郎伝奇浪漫小説集成』、『野村胡堂探偵小説全集』、『野村胡堂伝奇幻想小説集成』、『山本周五郎探偵小説全集(全六巻+別巻一)』、『探偵奇譚 呉田博士【完全版】』(以上作品社)など。