柳田国男論集成
橋川文三
本体 3,600円
ISBN 4-87893-508-1
発行 2002.09
【内容】
丸山眞男門下の政治学者にして名著『日本浪曼派批判序説』の著者として知られる橋川文三の柳田国男論を初めて完全に網羅した決定版。柳田国男のみならず、柳田民俗学と不可分な保守主義論、地方改良運動論を併録し、柳田を中心とした問題領域の全容を提示する。解説・井口時男。
【内容目次】
T 柳田国男伝 柳田国男――その人間と思想/柳田国男拾遺
U 柳田国男論 未来を愛すべきこと/壮烈なアマチュアの自覚/政治における空想と素朴/柳田国男/魯迅と柳田国男/北一輝と柳田国男/文学から民俗学への道/中村哲『柳田国男の思想』について/柳田学のこれから
V 柳田国男と保守主義 保守主義と転向――柳田国男と白鳥義千代/日本保守主義の経験と思想
W 柳田民俗学と地方改良運動 明治政治思想史の一断面/地方改良運動について/地方改良運動の政治理念
X 対談 民族主義は有効か――柳田国男の平和主義(藤田省三)/猛烈なる精神――柳田国男と現代(神島二郎)
【著者紹介】
橋川文三1922年生まれ。思想史家・明治大学政経学部教授(日本政治思想史)。83年没。
テーマ別編集による著書として『昭和ナショナリズムの諸相』(名古屋大学出版会)、『三島由紀夫論集成』(深夜叢書社)。ほかに『日本浪曼派批判序説』(講談社文芸文庫)、『黄禍物語』(岩波現代文庫)、『橋川文三著作集』(全10巻・筑摩書房)など。