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永久保存版〈アイルトン・セナ写真集〉Senna

【内容】
栄光と悲運の全軌跡1985〜1994[ジョーホンダ秘蔵コレクション]

デビューした年の雨のモナコ・グランプリ、翌年の初優勝、プロストと熾烈な死闘を繰り広げて獲得したワールド・チャンピオン、ホンダの撤退による挫折、チャンピオンが故に降りかかる非難と確執、そしてサンマリノでの事故死………。 その比類なき天才ぶりをまざまざと見せつけ、ひとびとに消しえぬ記憶を刻み込んだF1界の貴公子、アイルトン・セナ。
一閃の光芒のごとく駆け抜けた10年にわたる軌跡を、ファインダー越しに追い続けたジョーホンダが渾身を込めて創りあげたファン待望の完全保存版写真集!

【推薦】
村上龍 (作家)
Sir Jackie Stewart OBE(1969、73年、F1のワールドチャンピオン)
AlexanderA.Vizcarra(HONDA NSXクラブ・ノースアメリカ元会長)

【村上龍氏の推薦文】
アイルトン・セナ「危険で魅力的な謎」
 レーサーの宿命的なリスクが現実化したと言えばそれまでだが、アイルトン・セナは突然に死んでしまった。F1やその他のモータースポーツでは、安全性リスクを軽減する努力が続けられているが、それでもモータースポーツには、「常人には制御不能な強力なマシンを操る」という危険な魅力が今でも息づいている。デビューしたときから、セナはその危険な魅力を全身にまとっていた。そのドライビングは天才的で、リスクに立ち向かうことを彼自身楽しんでいるような印象さえあった。だからサーキットを離れても、セナの佇まいにはどこか危ういムードがあった。ギリギリのテンションで張られている弦から、はかなくて美しい音が奏でられるようだった。わたしたちはセナのドライビングに接するたびに、いつも「美しい緊張」を味わったのだ。
 だがもちろん、セナが実際にレース中に死んでしまうなどと誰も思っていなかった。そういった心の準備は誰にもなかった。だからわたしたちはその事実をなかなか受け入れられずに、何によっても埋めることのできない悲しみを心の奥に深く抱え込むことになった。ゆっくりと進行する死は、残されるものたちに少しずつ悲しみを刷り込む。そうやってわたしたちは、心のどこかに、いずれいなくなる人のための空白を準備する。いなくなる人が自分にとってどういう人だったかを、悲しみとともに確認し続けることによって、まさに絵を描くように心に刻むのである。
 アイルトン・セナの才能と、独特の危うげなムードに魅入られていた者にとって、その突然の死は耐えがたいものだった。わたしたちは、アイルトン・セナという稀有のドライバーが、わたしたち自身の心の中でどういう位置を占めているか未確認のまま、彼の死に立ち会うことになったのである。だから、あの悲しみの事故から何年経とうが、セナはわたしたちの心の中で「危険で魅力的な謎」として存在し続け、消えることがない。
 F1マシンのエンジン音を遠くから聞くとき、わたしはそれを残忍で美しい未知の猛獣の鳴き声のようだと思うことがあった。それは常に緊張をはらんで猛々しく、美しく、しかもどこか孤独な悲しみをたたえていた。あの爆音は、まさにセナを象徴する音だった。

【著者紹介】
Joe Honda(ジョーホンダ)1939年、東京生まれ。1961年、日本大学芸術学部写真学科卒業。1967年、モータースポーツ写真家として渡欧。モナコグランプリ、ル・マン24時間レース、インディ500マイル、パリ・ダカールラリー等を取材し現在に至る。著書、写真集多数。本書は、F1カメラマンとして確固たる地位を築いた著者が、日本のF1の歴史と共に歩んだ本田宗一郎氏に信頼を得ることで、セナがホンダ車に乗る経緯から、デビュー、事故死に至るまでの人間セナに肉薄出来た稀有な写真集である。