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西部劇論
その誕生から終焉まで

【内容】
ジョン・フォードからイーストウッドまで――ハリウッドにおける西部劇の歴史を総覧し、映画にとって、アメリカにとって西部劇とは何だったのかを明らかにする、圧倒的書き下ろし長篇評論! 西部劇は今、誰も知らなかった新たな相貌を見せる。
図版200点収録! 登場人物1000名以上! 670作品を紹介!


 終わりから見る西部劇。本書はそのようなアナクロニズムによって貫かれている。しかし、思えば西部劇自体がそもそもアナクロニックなものではなかったか。西部劇は西部開拓が終わってから作られ始めたいわば「時代劇」であって、始めからアナクロニックな存在である。また、その作品が作られた時代のイデオロギーが反映されている歴史修正主義的な西部劇も、時代錯誤をむしろ積極的に活用した一例である。(…)
 西部劇にはこのようなアナクロニズムが満ちている。我々が今、西部劇について語る意味があるとしたら、そもそもそのようなアナクロニズムに満ちた西部劇を、現代の視点で見るというアナクロニズムの冪乗を、創造的に働かせることにしかないだろう。そのとき、我々がとうに知っていると思っていた西部劇は、未だ見たことのないものとして新たな相貌を明らかにするだろう。これは、既知のものを未知のものとして奪い返す試みである。「序 西部劇――その既知を未知へ奪い返すために」より


【著者略歴】
吉田広明(よしだ・ひろあき)1964年生まれ。映画評論家。著書に、『亡命者たちのハリウッド──歴史と映画史の結節点』、『B級ノワール論──ハリウッド転換期の巨匠たち』(以上作品社)、『ジム・ジャームッシュ』、『ヴィム・ヴェンダース』、『サム・ペキンパー』、『ジャン・ユスターシュ』、『映画監督の未映像化プロジェクト』(以上共著、エスクァイア マガジン ジャパン)、ジム・トンプスン、黒原敏行訳『犯罪者』(解説、文遊社)など。